出版社内容情報
日本へ帰った御山慧(みやま・けい)は、弟・三知嵩(みちたか)が生きていることを信じて捜索を開始する。まずは事件の始まりの場所から順番に……。舞台をアイスランドから四季の国・日本に移して描かれる、真相究明の捜索編! 心強い相棒の清(きよし)とともに、熱情の慧と理知の清によるていねいな聞き込み調査が描かれていくのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
77
死んだとされる弟・三知嵩の本当の姿を捜して、慧の日本での探索が始まる。移ろう秋、相棒は清。清の有能さが際立つ、場に溶け込み、愛される清の才能。独立独歩な慧とはある意味真逆、良いコンビ。そんなふたりに見えてくる三知嵩の姿は悲しみに満ちていて・・・。母親に振り向いてもらえなかったのは何故だろう。あんなにかわいい子供だったのに。そして歪んでいく三知嵩の過去。他者をコントロールしていく才能の開花。優しい笑顔と冷たい顔。それでも人殺しまで?冷静な判断を見失わない慧と清の眼差し。惚れちゃうね。2024/03/07
天の川
51
弟・三知嵩の死を信じず、日本に戻った慧。三知嵩について調べるほどに、関わった人々が彼に対し抱いた常軌を逸した溺愛とそれ以上の恐怖。母に振り向いてもらえなかったその執着が原点か。三知嵩の天使のような無垢の笑顔が凄く怖い…助けて連れ戻す決意の慧、親友の清が慧と行動を共にしてくれているのが救い。次が待ち遠しい!2024/02/23
ミキ
42
ミチタカの能力は、いただい何なのだろう。幼少期からサイコパスっぽい。2024/02/20
kamakama
39
子どもの言うことを聞いていない母親に、きっと自分もそういう事をしてきたのだなと、胸が痛んだ。同時に母親はその母親(慧にとっては祖母)にどのように育てられたのか気になった。祖父から見たら女神様だった祖母にも別の一面があったのだろうな。人は多面体。良い面も悪い面もあって、どの面を見るかによって様々な評価が生まれてくる。そんな事を思いながら読みました。読み終わった途端、次が読みたくなる。絵も情趣に富んでいるし、ストーリーは読む人を惹きつけて離さず、何度読み返してもまた読みたくなる。傑作です。2024/02/24
くたくた
36
本棚の関係で紙本は一度手放してしまったのですが、ちょっと続きが気になったのでKindleで読んでます。三知嵩の過去をよく知らないことに気付いた慧が、分かれて生活していたころの三知嵩の周囲の人間関係を調査する。見えてきたのは明らかに普通とは異質の、弟のありよう。三知嵩はいつからあんな能力を開花させたのか。
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- 和書
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