出版社内容情報
逃げ癖がある少女・亜久里(あぐり)は20件目のバイトを無断欠勤した。
亜久里はそんな自分を変えたくて、いつも右足から履く靴を左足から履いてみることにする。
すると異空間に転送され、そこには7人の「私」が待ち受けていた……。
アルバイト生活の「私」、そしてラッパー、占い師、幽霊、マッチングアプリ中毒、配信者という立場の「私」たちは全員もといた各々の世界に戻ることを願う。
しかし、異空間にいた《観測者》を名乗る少女は、アルバイト生活の「亜久里」の自己同一性の揺らぎにより、異空間が作られたと解説した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっち
11
帯の「承認してくれよ!」に惹かれて何も知らずに手に取った。並行世界での自分が7人集まった特異点、での、7人のアグリ。右足から履くサンダルを左から履いてみる、という地味な変革からの7人にしては、どのアグリもめちゃめちゃ個性的で、「熱量のある話。2024/05/25
くろねこ文学
7
主人公の少女・亜久里(アグリ)は、ダメ人間で、生きづらさを抱えている。それでも人生を変えようと行動したら、時空の歪みにぶっ飛んで並行世界の別人のような7人の自分に出会うってお話。象徴的で多様な解釈ができ、1巻時点では、正直言って良くわからない。絵柄は緻密で大好きだけど、全体的に白っぽくて、まるで白昼夢の世界のよう。たぶんアグリは、コミュニケーションがうまくできない子なのかも。他人ともそして自分とも。並行世界の自分と交流することで、自己や他者への理解を深め、自分と世界とのつながりを築こうとする話なのかな~?2024/02/21
よいおいこらしょ
5
アグリー(醜い)な私をアグリー(肯定)する内省的な話。ある日、急に世界のすき間に閉じ込められて、並行世界の自分が7人現れた。それぞれの自分と対話して元の世界を目指す。キャッチーな絵柄と物語でとても良かった。2024/03/21
たいやき
3
表紙買い。書き込みが多くて美麗。久々に画面が黒い漫画を見た気がする。私が最近読んでる漫画はベタはあんまり使わずサッパリしてたから。作者の画風なのも有るんだろうけど、内容が他の「亜久里」との会話によって自分自身を掘り下げて考えて「自己確立」してく(だと思う)過程にふさわしい画面の黒さと、いうか。明暗の使い分けが上手いから感情がより伝わってくると、いうか。この先どこに「亜久里」達が辿り着くのか楽しみな話。テンポが良さげ。2024/03/19
東晃
2
妹の久々原亜久里がめちゃ良い。時空探偵って……何? 星三つ2024/03/26
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- 和書
- 愛犬家連続殺人 角川文庫