出版社内容情報
世界各国、いろんな時代を舞台にレコードと音楽の紡ぐオムニバス連載「音盤紀行」。
大ボリュームの第二巻では
・現代アメリカ。オークションで見つけた幻のテストプレスが生むカーチェイス「ロードサイド・ピッカーズ」
・70年代アルゼンチン。日系3世の内気な少女は、軍事政権から逃れたペルーのロックミュージシャンと出会い、新たな世界に踏み出す「カンシオン パラ マニャーナ」
・70年代ロンドン。時代の変化で廃船となる海賊ラジオの最後の冒険と恋のはじまり「波継ぐラジオ、駆ける船」
・戦後横浜。フェンスの先のGHQにはレコードがやまほどある。けれども僕らの日常は闇市の瓦礫の中にある「塀越しのメロディー」
など、ほかにも1巻で登場した暦実やラナの登場するエピソードも収録です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
46
音楽は時間とともに空間に消えるが、レコードは形ある物として、手元に残る。今ふたたびブームになった理由はまさにそれ。音楽との出会いと、「それ」を手にするまでのドラマは、デジタルからは生まれない。幅広い時代と場所(世代も)を背景に、ラジオやプレーヤーから流れてくる音楽の源は、やはりレコードであってほしい。細い線を駆使した画面から感じられるのは、音としては聴こえないものの、確かにそこに生まれているはずの音楽と、その空間から漂う詩情だ。海外、洋楽・エスニックの話が多いのも、「遠さ」を語る「紀行」によく似合う。2023/10/20
1959のコールマン
44
☆5。ただ、個人的にはもうちょっとストーリーの展開をした方がいいのでは?とうい話が今回は多かった。音盤、というよりはそれをとりまく人たちの物語というスタンスだと思うので・・・。まあ楽しめたことは確かだが。なお、タワーレコードではこの本を購入すると、特典として「音盤紀行を描くときに聴いている音楽ディスクガイド[洋楽編]」というものがつく。リストは計15点あげられていて、どれも60年代~70年代に集中している。シンガーソングライター系が多く、意外にプログレ系が少なかった(CAN、Caravanくらいか)。2023/11/18
neimu
34
1巻も2巻も、レコードや演奏者、聴いてくれる人々、聴衆への思い、音楽への憧れ、様々な思いが切なく詰まっているのは感じられる。けれども、1巻の時には素直に受け止められたその熱量が、2巻になると重荷に感じてしまったのは何故か。そこまでレコードや音楽に思い入れを持たない自分を責められているような、軽い人間と思われてしまうのじゃないかという引け目を感じてしまった。この世界に憧れるものの、3巻に付いていくのはしんどくなるのかも・・・。(登録漏れ、3巻購入前に気付いて記入) 2023/12/26
阿部義彦
30
音楽好きの皆さん待ちに待った『音盤紀行』の第2巻が発売されました!エンボス加工の表紙で愛着の湧く造本。全てが新登場のキャラばかりでは無く、1巻で知った、ミヤマレコードの暦実(こよみ)ちゃんや海賊放送局のニッキ等も再登場オムニバス形式で場所も時代も行ったり来たり、今回は音の飛んだレコードの溝を修復する仕事にも触れられてそんなの有ったんだと勉強になりました。今こそ細野晴臣さんの言葉を捧げます。『音楽を聴けば、そこにスピリットが有る。それに触れることは、生きている人に会うのと同じなんだ。』それで救われる気持ち。2023/10/19
のぶのぶ
22
レコード、音楽にまつわるオムニバスストーリー。冒頭の超レアレコード、獲得には、それぞれの理由がある。最近、30年来の憧れだったプリンスの紫のレコード盤が、たまたま出品されていたので、ゲットしてしまった。テイラー・スウィフトの「1989」のカラーレコードも売れているようだ。コレクターにとっては魅力的なもの。Xを見ていると、初回盤とその後のレコードで、音源が差し替えられているものもある。レアものはいろいろありそう。漫画とは関係ないが、知ると欲しくなるのは、コレクター魂。ラジオで好きな音楽をかけるのも憧れる。2023/11/11
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