出版社内容情報
東部戦線は、地獄である。迫りくる敵軍。破滅していく友軍。
まともに食えず飲めず眠れず。
それでも戦争は終わらない。
終わりの先延ばしに過ぎない勝利を求め、ターニャは魔導部隊を率いて戦場を疾駆し、吼える。
我ら帝国軍航空魔導師、と。我に抗いうる敵はなし、と。
そして、ゼートゥーアはついに成し遂げる。
世界の敵の面目躍如たるかな、と。
これは黄昏時に輝く魔導師と、世界の敵たるべく暗躍する老人の物語。
内容説明
東部戦線は、地獄である。迫りくる敵軍。破滅していく友軍。まともに食えず飲めず眠れず。それでも戦争は終わらない。終わりの先延ばしに過ぎない勝利を求め、ターニャは魔導部隊を率いて戦場を疾駆し、吼える。我ら帝国軍航空魔導師、と。我に抗いうる敵はなし、と。そして、セートゥーアはついに成し遂げる。世界の敵の面目躍如たるかな、と。これは黄昏時に輝く魔導師と、世界の敵たるべく暗躍する老人の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
31
ある意味でこれは、「独ソ戦で独軍がこう戦ったとすれば」というシミュレーションであり、破滅は避けられないながら壊滅は防げたのではという思考実験なのでしょう。とはいえこれは、名案を考えて独断専行したもののその実行に苦労する幼女と、そもそも帝国軍という組織の中で十指にも入らない地位であるはずの老人が組織する帝国軍がどう終焉を迎え、その先に何があるのかを期待させる物語。新しい仮想戦記とはこういうものになるのかな。 Dum spiro, spero.──生きているかぎり、希望はある── たしかにそうだね。2024/03/28
SIN EIM
21
【帝国のターニャ化が始まる?】帝国で偶像としてのターニャができあがったようだ。そのためなのか、ターニャのような行動をとる者、ターニャの狂気を知りつつ認める者、ターニャの行動予測をする者、ターニャに心酔する者、が出てきたり、行動したりする。戦果への追求はともかく、愛国心とか自己犠牲とかは本人が全く持っていないのだけど、それを含めて勝手に巨大化していくのがアイドル(偶像)だ。YOASOBIの歌にあるように、アイドルとは嘘をつき(兵は詭道)、都合の悪いところは見せず(上官の権威主義)、成果(戦果)を残す2025/04/12
らいおねる
17
ここで大きな分岐点。一人によって大きく歴史を変えてここからどうなるのか、でも見えてきてるのは戦争の終結。歴史が証明してるようにどう考えても諸々の人も含めた物資量が世界を相手に1国で戦うのは無茶すぎますよね。着地点が俄然気になってきました。次は早い新刊が出ることを望みます。2024/02/15
RASCAL
15
これが最終巻と思って読んだので、、ピュロスの戦いというから魔導士は捨て石になったのかと思いきや、まだ続くみたいですね。そもそも戦争は外交の一手段なのに、戦争に勝つことが目的化して泥沼にはまり込んだ帝国が、その破滅をギリギリのところで回避する。無条件降伏以外の条件で戦争を終わらるには一発殴り返し、相手が痛がっているときに、相手のメンツをつぶさない条件を出すのがいいのかな。幼女戦記というタイトルとは裏腹に、深い戦争小説だと思います。ゼートーゥアがターニャをいかに使って戦争を終わらせるか、次巻に期待です。2024/04/24
Urmnaf
14
ターニャの独断専行により、帝国軍は少しだけ生き延びる。それにしても、瞬時にターニャの独断専行の意図を理解し追認し、さらなる作戦を魔導大隊に命じるゼートゥーアの何と明晰なことよ。意図が理解されなければ断罪されていたところが、ここまで明晰だと報酬として過酷な追加任務がついてくる。上司もまた程々が良いという教訓。乾いた雑巾を絞るようにして踊った魔導師部隊は、帝国が戦争を終わらせるための道具としてまだまだ踊らされることに。ターニャたちのブラック労働は続く。優秀な人材に仕事は集まるものだけどね。2023/10/29
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