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出版社内容情報
マサチューセッツ州のうらぶれた町「ダニッチ」。1913年の聖燭祭に、「ウィルバー・ホウェイトリイ」は産み落とされた。しかし町の誰もが、彼の「父親」を知らぬと言う……。ウィルバーの祖父、老ホウェイトリイは言った。「いつの日か、ウィルバーがセンティネル・ヒルのてっぺんで、父親の名を呼ぶだろう。その時に人間達は、その名を知ることになる……」衰退した村に遺る、太古の悍ましき伝説。人類の想像を超える、呪われた「怪事件」が幕を開ける。
「クトゥルフ神話」の代表作を、世界中から最高評価を受ける「ラヴクラフト描き」が完全漫画化。
【手塚治虫文化賞】マンガ大賞最終候補、【米国アイズナー賞】ノミネート、【仏国アングレーム国際漫画祭】公式セレクション選出、【仏国Prix Asie de la Critique ACBD】受賞、【仏国DARUMA】最優秀作画賞・最優秀デザイン賞受賞、【米国ハーベイ賞】ノミネートほか、数々の賞賛を呼ぶ「ラヴクラフト傑作集」シリーズ、「ダニッチの怪」1・2巻同時発売。
●「ラヴクラフト傑作集」シリーズ
『インスマスの影』全2巻/『クトゥルフの呼び声』/『時を超える影』全2巻/『狂気の山脈にて』全4巻/『魔犬』/『異世界の色彩』/『闇に這う者』
●田辺剛・好評既刊
『The Outsider 田辺剛 Extra Works』/『サウダージ』(作:カリブsong)
●コミックビーム 公式ツイッター
@COMIC_BEAM
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昼寝ねこ
84
ラヴクラフトはアメリカの怪奇小説家。日本での一般的な知名度はあまりないかもしれない。田辺剛さんはその作品を圧倒的な迫力で漫画化し続けている。アメリカやフランスの賞を複数回受賞するなど海外でも評価が高い。試しに原作を少し読んでみたがかなり読みにくいので私にとっては田辺さんの漫画の方がまだ理解しやすい。この『ダニッチの怪』全3巻はアメリカの閉鎖的な村で起きた怪奇事件を扱う。幻想的というよりオカルトっぽいので怪奇小説好きには面白いのかもしれないが私には合わない世界だった。2025/04/17
ehirano1
68
呪われた土地「ダニッチ」。その様子は横溝正史の作品の舞台となる田舎を思い起こさせます。そして今、不穏過ぎる何かが始動しようとしているようです。この不穏さに抗えず、どんどん引き込まれて行ってます。直ぐに次巻へ!2025/03/20
sin
61
ページを繰っていく目前に展開される描写はもう映像の一場面だ!嘗て手塚治虫が映画にインスパイアされてそのコマ割りに表現として採り入れたより自然にラヴクラフトの創造した小説世界が映像と化して現れるようだ。ダニッチ郡区の描写の存在感しかり、ホウェトリイ家の住まいの空間描写、絶妙なバランスで描かれる謎の少年の人間離れした造形まで、本作は田辺の描くラヴクラフト作品の中でも最高傑作だと感じた。2023/03/11
眠る山猫屋
57
云わずと知れたラヴクラフト原作のコズミックホラーをラヴクラフティアン田辺剛が劇画化。まさに劇画だぁ。1913年冬のマサチューセッツ州から始まる凄惨な物語。ホウェイトリイ家に孫が産まれたという噂。近親婚が重なる辺鄙な土地、邪悪な魔法を使うというホウェイトリイ一家。まずホウェイトリイという表記が嬉しいね。まぁこの孫ウィルバーが生意気且つ不気味。ま、四歳で読み書き出来ちゃうくらいだから生意気は仕方ないか。それにしても、表紙のネタバレ感が半端ない(苦笑)。【日本の夏は、やっぱり怪談 其の三 和洋折衷】持ち寄り2023/08/10
ぐうぐう
37
セリフや擬音のない絵からは、当然なにも聞こえない。けれど、田辺剛が描く「ラヴクラフト傑作集」は違う。セリフも擬音もない場面は、一見静寂に満ちながら(その静寂さが極度の緊張を演出していながら)、遠くのほうで微かに地鳴りのような、あるいは何かの鳴き声のような、そんな音が(声が)聞こえてくるのだ。不穏を覚える読者の錯覚のようでいて、ラブクラフトの物語の呼び声のようでいて、そこには恐れしかない。田辺剛の画力だけが持つことを許された、それは力なのだろう。2024/03/16
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- 終焉の日 創元推理文庫