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出版社内容情報
ビルの狭間の空遠く幸い住むと……誰が云うのか。
番外地に生まれ、なにも信じられず、誰からも愛されずに、大都会を彷徨いつづけるミゲルとサチコ、十九歳のふたり。
革新と混迷の六十年代、東京は騒がしく、薄汚れて、若者には夢だけが、あった。
そうだ、漫画を描くのだ。愛も希望も、罪も真っ暗闇の未来も、すべてを漫画に描くのだーー。
丸尾末広、渾身の青春譜に今、世界が震える!
世界が狂い騒ぐ激動のただ中で、光と影が鋭くせめぎ合った時代を、唯一無二の才能が虚実ない交ぜに描き出す、アンダーグラウンド漫画道。
●丸尾末広 ビームコミックス好評既刊●
[天國 パライゾ]
[トミノの地獄]全4巻
[笑う吸血鬼]全2巻
[瓶詰の地獄]
[芋虫]
[パノラマ島綺譚]
●コミックビーム 公式ツイッター●
@COMIC_BEAM
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- 評価
aaq43410本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
25
喧騒の1960年代を舞台に、漫画家を志す青年の物語。とはいえ、丸尾末広が描くとなると、帯にもあるように「地下潜行的マンガ道」となるのは必然だ。流行にも、あるいは学生運動にも乗れないミゲルとサチコは、華やかな東京で地獄ばかりを見る。BGMとして聞こえてくる流行歌も、二人にとってはレクイエムでしかない。繰り広げられる地獄巡りは、いつしか虚実が溶け合い、幻想と現実が二人にはわからなくなっていく。それが二人にとって救いなのか、とどめとなるのか。暗黒版『ゲゲゲの鬼太郎』。2023/05/13
かやま
3
丸尾さんは80年代くらいの作品が印象的でその辺の作品が好きだけど、2000年代以降も活躍されていてとても素晴らしい。何年経っても何を描いても丸尾末広にしかならないのも。2023/10/12
昱ュイ
2
タイトルと表紙に惹かれ丸尾末広作品初購入。凄い作品だな…扱ってる内容は時代を切り取ったルポタージュのようであり将来の不安を抱えた所在のない少年少女の気持ちを描いている。何よりモチーフの配置や画面の構成が奇抜かつ美しい、それを圧倒的画力支えている。脳内で浮かんだ映像を出力しているのか、描きながら考えて足し引きいるのか…1ページ1ページの絵画作品としての完成度が高い、どれくらい時間をかけて描いているのだろう?とにかくどうやったらこんな絵を描けるのか不思議で仕方がない、紛れもない天才である。また、作者自身の2024/02/15
ろりこ
1
良くも悪くも「丸尾末広」ワールド炸裂2023/08/19
ますりん
1
丸尾末広さんの久々の新作。マンガ家を目指す少年の物語、的なオビなので、本人の半自伝的なものかしら、と思いきや、違いました。そもそも描かれている年代がご本人の年齢よりも10年くらい前が舞台。ただこの時代(60年代)に対する著者の強い撞着が見て取れます。かくいう自分もこの時代に対してほのかな憧憬と愛憎があります。 物語に出てくる永山則夫、風月堂、寺山修司、バシュラールにイージー・ライダー、ケネス・アンガー、ジャックス等々。アツい。2023/05/17