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出版社内容情報
数多の書物を諳んじるという、驚くべき力を持つ「司書正」。
王国の繁栄を支えるその存在は国家機密とされ、それを知るのは、ごくわずかな者だけだった。
しかしひとりの少女キビが「司書正」に触れたとき、物語は大きく動き出す。
さらに時を同じくして、国中の書を収めた蔵書樓が封鎖された。
噂や陰謀が飛び交う中で明らかになっていく蔵書樓そして「司書正」の驚くべき実態とは?
緻密に練り上げられた世界観。時代と権力に翻弄される人間の姿。
丸山薫が描き出す、壮大なる古代中国宮廷劇、ここに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てんてん(^^)/
24
たまたま読んだハルタの中で気になっていた作品。蔵書樓の主、司書正は国中の書物を記憶し、言葉の鍵を開けばどのような問いにも即座に答える、言わば人間検索エンジン。先代の司書正がその役目を終え、次に選ばれたのはまさかの。。。書物に興味の無い現国王、その正室、側室、宦官など、それぞれの立場が分かりやすく紹介され、理解しやすかった。次期国王の座を巡る宮廷劇、と同時に司書正という謎めいた存在がこれからどうなっていくのか、とてもワクワクする物語のイントロダクションだ。続きが楽しみ。2023/02/11
ぐっち
24
国中の書物が頭の中に入った司書正だが、それ以外の事は全くできなくなる。あれ、トトコの漫画家さんだよね、と思いつつ、趣の異なるほの暗い世界で面白い。キビにはぜひ頑張ってほしい。2023/01/28
bluemint
19
中国から中央アジアあたりの、著者が作り上げた世界観が緻密で恐ろしい。まだ始まったばかりで、少しづつ世界と司書の世界が視界に入ってくる。「司書正」は古代日本で「古事記」を創り上げるために、膨大な記録を読み込み太安万侶がその記憶を元に執筆したという、史上最高の記憶力の持ち主である稗田阿礼を彷彿とさせる。「ストレニュアスライフ」の不思議な世界が好きな私にとって楽しみなシリーズになりそうだ。2024/04/19
緋莢
16
ある国の蔵書樓の主である司書正。日中は主座に座り続け、大王陛下に使われる以外は動かない司書正の 食事、着替え、移動など、全ての世話をしているのはキビという少女で…司書正は、求められた知識をスラスラと暗唱しますが、非常に機械的で、そこに感情は全くありません。 先代は学問を重んじて蔵書樓を活用していましたが、今の大王陛下はそんな事が全くなくというのが前半。後半ではその理由、というか司書正という存在がだいぶ歪なものというのが明らかになり、ハッとさせられました。 この辺に権力争いがどう絡んでくるのか気になります。2024/01/17
さとみん
15
司書正に「成る」という言い回し、大王の禁令、そして側女の存在意義。実は前作のイメージからコメディか、ほのぼの路線だと思っていたが、いい意味で裏切られた。司書正の謎と宮廷の権力闘争が絡まって、ものすごく好みの話。この一巻は最後まで読み終わると見える景色が一変するという鮮やかさ。しかし「能く物を知りながら、まるで物を知らぬ」のは父子に共通するような…。あの反応を見ていて、正面からぶつかる鈍さには驚いた。2023/01/21