出版社内容情報
些細なきっかけで、仲の良かったグループからいじめの対象になってしまった高校二年生の祥子。
学校にも家にも居場所がない祥子にとっての毎日は、まるで溺れているようで、息苦しい。
そんな祥子は、ある日「名前のない」喫茶店を見つける。
中に入ってみるとそこには、あたたかな珈琲を淹れてくれるマスターと、個性的な常連客、そして祥子と同じくらいの男子高校生、皐月がいた。
誰にも思いを言い出せず、息が詰まりそうだった祥子は、いつしか彼らに自分の犯したある「過ち」を告白。優しく迎えてくれたその喫茶店で、祥子はようやく苦しかった気持ちがほどけていくのを感じ……!?
内容説明
些細なきっかけで、仲の良かったグループからいじめの対象になってしまった高校二年生の祥子。学校にも家にも居場所がない祥子にとっての毎日は、まるで溺れているようで、息苦しい。そんな祥子は、ある日「名前のない」喫茶店を見つける。中に入ってみるとそこには、あたたかな珈琲を淹れてくれるマスターと、個性的な常連客、そして祥子と同じくらいの男子高校生、皐月がいた。誰にも思いを言い出せず、息が詰まりそうだった祥子は、いつしか彼らに自分の犯したある「過ち」を告白。優しく迎えてくれたその喫茶店で、祥子はようやく苦しかった気持ちがほどけていくのを感じ…!?カクヨム×魔法のiらんどコンテスト受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
horihori【レビューがたまって追っつかない】
39
娘(小5)からのお勧め本。同級生の誤解から裏掲示板に書かれたことがきっかけで、いじめの対象になってしまった高校2年生の祥子は、意気消沈の帰り道、「名前のない」喫茶店を見つける。そこには、優しいマスター、常連客の色っぽいラムさん、良識的な黒さん、そして少し冷たい態度のアルバイトの皐月がいた。喫茶店に通うことで、消えたくなる気持ちを切り替えられるようになる祥子。思い込みや恥ずかしさで、伝えなかった気持ちに勇気を出すことで、少しずつ現状を打開していく。藤本先生がひどくて、保護者は怒りしかない。2021/03/16
のり
17
学校ではいじめられ、家では再婚した親に遠慮し居心地が悪い祥子は、ある日、入った喫茶店で、少しずつ勇気をもらい変わっていく。大塚さんが一番偉い(笑) 担任の先生が本当にそういう奴居そうな、保身主義。よくありそうな物語だけど、自分の気持ちを言わなきゃ伝わらないことや、自分を分かってくれる人の大切さを伝えられる。2021/03/24
紅茶タイム
17
いじめっ子グループにいた女子高生が些細なきっかけでいじめられるようになる。母親が再婚して家庭でも居場所がないと感じていたとき、ある喫茶店を見つける。高校生のSNSとの付き合い方の教材のような小説でした。2020/10/17
稲荷
16
学校やネットでのいじめがテーマになっていてリアルさがあった。前半は主人公を思うと苦しかったけど、小説らしい驚きのある設定も組み込まれていてよかった。2020/09/13
なみ
16
──消えてしまいたい。 クラスでいじめの対象になった祥子は、名前のない喫茶店にたどり着く。 店で出会った人たちは優しくて温かく、祥子は少しずつ救われていきます。 クラスメイトの大塚さんが格好良かった。 本当の意味での強さを持っていて、すごく眩しかったです。 私は弱い人間なので、大塚さんみたいな人に憧れます。 喫茶店の人たちはもちろんなのですが、大塚さんがいてくれたことも、祥子がまた前を向けたことに繋がったのではないかと思います。2020/09/09