出版社内容情報
戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも
失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これ異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。
義務。
必要。
友情。
何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RASCAL
27
ラテン語の副題は「賽は投げられた」の意だそうで、ここ2巻ばかり停滞していた局面が大きく動いた。ルーデルドルフの死でゼートゥーアが軍を全面的に掌握し、イルドア進行も回避されたと思ったのだが!この後どうなる?ってのはレルゲン大佐の回想録で概ね想像がつくが、どうしてそうなる?そしてターニャの運命は?続きは半年くらい待たなければならないのかな、、、2019/03/11
鐵太郎
21
煩悶するターニャさんでほぼ一巻を使い切った感のある10巻のあと、じわっと歴史が動きます。親友ルーデルドルフ大将の政変+イルドア攻撃論に反対するゼートゥーア大将の禁じ手ともいえる一手は、なんと連合王国の長い手に先を越されることに。かくして親友の戦死の後を引き継いで実質帝国の軍権を掌握したゼートゥーアは、勇躍中立国イルドア王国に宣戦布告。先陣を承るのはサラマンダー戦闘団──ではなくて第八機甲師団。そこに参謀として赴任したレルゲン大佐は、なんと師団の臨時指揮を取る羽目になりデグレチャフ中佐と共に最前線で大活躍。2023/05/14
SIN EIM
20
【非情の策】非常事態が更に一段階進む。物資はもちろん、同族への情さえも投げ捨てる時が来た。一次大戦は民族主義、強すぎる仲間意識と仲間以外への恐怖が引き金であり、火薬であり、弾倉でもあったという。勝ち続けた結果が、次の勝利のために仲間をも切り捨てる判断が必要とは。戦争の度し難い部分を、軍事的指揮官と前線の兵士の視点で描かれている。苦い勝利をテーマに失せていく人間性を描く作品の題名が「幼女」で、ライトノベルってのが意外過ぎる。作品の連載を許したエンターブレインはヤヴァイとは作者自身の言葉だが、大いに納得。2025/03/29
ニゴディー
14
おもしろい。 が、ここまで読むと少々疲れてきた。 そろそろ終わらせてほしい分量かなと。2019/12/19
ささきち
14
ターニャはここまで勝ち続けてきたのにライヒはここまできてやっと敗戦を受け入れなければならないと理解するか・・・なんというか色々と遅すぎたよね。あの予備作戦がどうなるのかと思えば予想外の方向に進みそしてルーデルドルフ大将が亡くなる事に・・・ゼートゥーアがどれだけ人として悩みながらも決断したことやルーデルドルフが直感で真実にたどり着きながらもターニャによって勘違いしたまま死ねたのは救いだったのかね?滅びる運命にある帝国は和平という道よりも全てを敵に回す世界大戦に移行しイルドアにまで戦火を広げてしまうと2019/12/01