- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > 少年(小中学生)
- > KADOKAWA ハルタC
出版社内容情報
唯一無比の民俗学(フォークロリスティクス)ホラー!1994年に講談社のアフタヌーン誌にて発表された小川幸辰の『エンブリヲ』は、虫とヒトとの共生を主題とした"生物學(バイオロジカル)ホラー"として人気を得、2008年には出版社を代えてエンターブレインより復刻版が刊行。新しい世代のファンを獲得し、その色あせない魅力が再び評価された。
小川幸辰は、その徹底的にリアリズム的な筆致によって、紙の上に現実を描き上げ、そしてミステリ・オカルト的な幻想との融和を果たすことに成功している。
今回の作品は出版社から「『エンブリヲ』の精神的な続編の執筆」を依頼されたことにより企画された。千葉県・印旛沼周辺の河童伝説を題材とし、実際には生息していないはずのもの、しかし多くの報告が寄せられるものを漫画で描き上げることにした。
物語は3話から構成される。第1話&2話は80ページ強。しかし第3話は186ページとなった! この重厚かつ真摯な作品は、一度雑誌に連載されてからまとめるのではなく、直接、単行本描き下ろし作品として発表されることになる。
舞台は東京都心と国際空港を結ぶ土地に拓かれた"万葉ニュータウン"。照葉樹の暗い森に包まれたこの街で連続失踪事件が起こった。犯人の特徴は、全身をうろこでおおった、まるで獣のような……。
唯一無比の民俗学(フォークロリスティクス)ホラーとして、小川幸辰による共生の物語が、ふたたび刊行!
小川 幸辰[オガワ コウシン]
著・文・その他
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JACK
23
◎ 関東平野東部の広大な原生林を切り拓き造成された大規模郊外都市、万葉ニュータウン。町を一歩出れば、周囲は鬱蒼とした森と農村集落が残っている。夜には全身鱗に覆われた2本足の怪物が現れるという噂があり、小学校は生徒に森への立入禁止が指導されている。「みくまり」と呼ばれる、水利、水源、子守の神様の言い伝えが残る古い土地と新しい町。日常と非日常が近付いたこのニュータウンには何が棲むのか。女子大生、朝鳥野々花が体験する不思議な体験を描く民俗学ホラー。2017/11/21
kenitirokikuti
9
圧倒的な印旛郡の描写…わたしの生活域は筑波と手賀沼なので隣町といった距離だが、千葉ニュータウンには何回か行ったことがあるのでよく分かる。エンブリヲの小川氏はここいらの出身/在住であるらしい▲半村良『石の血脈』『産霊山秘録』の流れにある伝奇SFである。それに縄文時代幻想を加えた、むかしよくあった型だ。本作は「河童」をプレデターにしたのが新趣向である(いや、『アバター』かな…?)。あびゅうきょ氏にも似た作品あるよな…伝奇オカルト民族主義的なやつ…2017/11/19
コリエル
5
民族学寄りの伝奇ホラー。急激に発展が進む山間の町。水神信仰の根強く残るその土地には、人とも妖ともつかぬ謎の生物が隠れ住む。わりとオーソドックスな内容だと思っていたが、人と怪異の対立が表立ったものになりそうで、そこは珍しい展開かな。2019/02/08
北白川にゃんこ
2
まーたかんらんちゃんは書き込むな!カパー!2020/03/21
あさひ
2
「祟りじゃあ」系のホラーは大好きです。禁忌を犯した人々が惨殺され、水に呑まれ、山が崩れ、町が崩壊するスペクタクル。民俗学のお勉強にもなるし、人外ラブも楽しめる。カッパvs人類の生存争いの行方は?クセの強い絵柄だけど、エンタメしてます。2018/05/03