暴力と富と資本主義―なぜ国家はグローバル化が進んでも消滅しないのか

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暴力と富と資本主義―なぜ国家はグローバル化が進んでも消滅しないのか

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047318823
  • NDC分類 311
  • Cコード C0010

出版社内容情報

暴力と資本主義をめぐる萱野哲学「国家論」の最新論考集!

グローバリゼーションによって国家はそのうち消滅するだろう、と大まじめに議論されていた。しかし、国家について考察すればするほど、暴力を管理する方法として人類はいまだ国家以上のものをあみだしていない。 国家以上の方法をあみだすことができないのであれば、いくらグローバリゼーションが進んでも国家そのものが消滅することはない。 重要なのは、国家がたとえなくなっても戦争がなくなるわけでもなければ力による支配がなくなるわけでもない、ということだ。資本主義が行き詰まりを迎えるなか、グローバル化の進展で再定義される国家と市場の関係を、「暴力」と「富」の権利から考察する。

第1章 暴力の生態学的考察にむけて
第2章 日本における暴力独占の過程
第3章 近代政治システムの生成と変容
第4章 国家と資本主義の関係
第5章 暴力への権利と富への権利
     ――二つの「権利」から国家と資本主義の関係を考える

【著者紹介】
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内容説明

資本主義のグローバル化で再定義される国家と市場の関係を「暴力」と「富」の権利から考察する。

目次

第1章 暴力の生態学的考察にむけて(なぜ暴力は生態学的考察の対象となるのか;生態学的考察にむけた暴力の概念的整理 ほか)
第2章 日本における暴力独占の過程(国家の形成を思考するための理論的基礎;刀狩りにおける権力のロジック ほか)
第3章 近代政治システムの生成と変容(近代政治システムと暴力;国家のゆらぎ? ほか)
第4章 国家と資本主義の関係(『資本論』から国家と資本主義の関係を読み解く;公共事業を通じて考える国家と資本主義の関係 ほか)
第5章 暴力への権利と富への権利―二つの「権利」から国家と資本主義の関係を考える(グローバル化のなかで再定義される暴力と富への権利;戦争の民営化について ほか)

著者等紹介

萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年、愛知県生まれ。哲学者、津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。2003年、パリ第十大学大学院博士課程修了。博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

34
書きおろしではないせいか、内容が重複したり、あちこちとんだりする印象。それから、もっと面白い事いっているかなあ、と思ったけれどどちらかというと高校生にもわかる一般論というか、劇的で突拍子もない仮説を立てている本ではなかった。なので、近代国家成立と暴力についてその周辺の歴史的トリビアを知るにはうってつけの本かな、と思いました。あと、ウェーバーとか、ウォーラステインとか、学生時代に読めなかった本を概略してくれて、これは嬉しかった。いまなら、読めるかもという気持ちにさせられる。よくもわるくも丁寧な本2016/05/14

白玉あずき

31
合法的な暴力の独占体という国家の定義は今までの萱野さんの主張どおりで、自分の中ではもはや常識となってしまっていた。その後の章、資本主義とは国家と市場との共同作業によって成立したのだ、というすっきりした説明がストンと腹落ちする。マルクス、ウォーラーステインの「萱野版解釈」がわかりやすい。今の格差や弱者の困難が、国家と市場との共謀と思えば、なるほどアナーキズムを語る理想家が出現するわけだ。社会学の学術書ではなく、大学以上の一般書、もしくは教科書くらいの噛み砕き方で書かれているので、さくさく理解しやすい。2017/07/08

薦渕雅春

13
副題の なぜ国家はグローバル化が進んでも消滅しないのか に興味を覚えて借りてみた 。けど 、内容的にはよくは分からなかった 。まずは 、人類社会はつねに暴力とともにあった 。戦争や犯罪において発動される暴力だけではない 。支配を確立したり秩序を維持するためにも人類は暴力をもちいてきた 、と 。けっしてきりはなせない 社会と権利 。権利の維持ために不可欠な暴力 。権利が人びとのあいだで規定され 維持されるためには 暴力の働きが不可欠だと 。権利よりも暴力のほうが根源的で 国家の方が資本主義よりも基底的だと。2016/10/27

hk

13
近代国家の要諦とは「合法的暴力を独占していること」だ。そして欧州で近代主権国家への移行を促したエポックなイベントがあった。それは貨幣経済の進展(+銃器の発展)である。中世において国王と封建諸侯の関係は、軍役の見返りとして国王が領土を貴族に貸与するというものだ。ところが貨幣経済の進展により、褒美をカネで払うようになり貴族に領土を貸し与える動機がなくなった。こうして国王が大きな版図から税を抜け目なく徴収するようになり、格段に膨れ上がった権力を背景に暴力をも独占するようになった。これが近代主権国家の嚆矢だ。2016/08/21

Haruka Fukuhara

8
こういう現代哲学風の人が結論として国家が大切という風に語るのは意外な気がして好感が持てたが、まえがき以外はあまり興味の持てない論の展開で寄り添おうという気が起きなかったのでここで他の方々の感想を読んでみたけどあまりわかった気にならなかった。NHKの榎本武揚の番組で見て気になって読んでみたけど、若々しくて魅力的な風の人できっと女子大で人気なんだろうな…2017/05/15

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