出版社内容情報
暴力と資本主義をめぐる萱野哲学「国家論」の最新論考集!
グローバリゼーションによって国家はそのうち消滅するだろう、と大まじめに議論されていた。しかし、国家について考察すればするほど、暴力を管理する方法として人類はいまだ国家以上のものをあみだしていない。 国家以上の方法をあみだすことができないのであれば、いくらグローバリゼーションが進んでも国家そのものが消滅することはない。 重要なのは、国家がたとえなくなっても戦争がなくなるわけでもなければ力による支配がなくなるわけでもない、ということだ。資本主義が行き詰まりを迎えるなか、グローバル化の進展で再定義される国家と市場の関係を、「暴力」と「富」の権利から考察する。
第1章 暴力の生態学的考察にむけて
第2章 日本における暴力独占の過程
第3章 近代政治システムの生成と変容
第4章 国家と資本主義の関係
第5章 暴力への権利と富への権利
――二つの「権利」から国家と資本主義の関係を考える
【著者紹介】
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内容説明
資本主義のグローバル化で再定義される国家と市場の関係を「暴力」と「富」の権利から考察する。
目次
第1章 暴力の生態学的考察にむけて(なぜ暴力は生態学的考察の対象となるのか;生態学的考察にむけた暴力の概念的整理 ほか)
第2章 日本における暴力独占の過程(国家の形成を思考するための理論的基礎;刀狩りにおける権力のロジック ほか)
第3章 近代政治システムの生成と変容(近代政治システムと暴力;国家のゆらぎ? ほか)
第4章 国家と資本主義の関係(『資本論』から国家と資本主義の関係を読み解く;公共事業を通じて考える国家と資本主義の関係 ほか)
第5章 暴力への権利と富への権利―二つの「権利」から国家と資本主義の関係を考える(グローバル化のなかで再定義される暴力と富への権利;戦争の民営化について ほか)
著者等紹介
萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年、愛知県生まれ。哲学者、津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。2003年、パリ第十大学大学院博士課程修了。博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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