内容説明
漢字があるから、日本語はすばらしい。そう考える日本人は多いだろう。しかし漢字が、日本語を閉じた言語(外国人にとって学びにくい言語)にしているという事実を、私たちはもっと自覚しなければいけない。日本語には、ひらがな、カタカナ、そしてローマ字という表記方法があるのだから、グローバル時代の21世紀は、もっと漢字を減らし、外国人にとって学びやすい、開かれた言語に変わるべきなのだ。いまこそ、日本語を革命するときである。最初で最後の日本語論。
目次
第1章 日本語という運命(日本語の状況;母語ペシミズム ほか)
第2章 「日本語人」論(日本人ではなく日本語人がたいせつ;バイリングアル日本語人 ほか)
第3章 漢字についての文明論的考察(「漢字文化圏」論;日本は漢字文化圏の行きどまり ほか)
第4章 「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ(日本は中国と「同文同種」か;中国語は日本語よりも英語に近い ほか)
著者等紹介
田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科修了。一橋大学名誉教授。専門は社会言語学とモンゴル学。言語学をことばと国家と民族の関係から総合的に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
Piichanの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
54
私自身が、漢字がすばらしいと思っていたから、この本の主張は、かなりぶっとんで聞こえる。しかしよく読み込んでみると、なるほどと思えることが多い。「漢字が滅びないと中国が滅びる」と魯迅が言ったことは昔から知っていたけど、改めてかなり実感に近いと思える再認識をさせてくれた。現代の文章は、漢字が思っている以上に少なくなっていると思うので、日本語が著者の主張する姿に近づくのも、そんなに遠いことではないように思うがどうだろう。2019/03/18
ntahima
31
志賀直哉の復刻版かと思ったら田中克彦だった。昔から漢字廃止論があるのは知っていたし、私が今住む地では事実上廃止されている。しかし日本語と韓国語では音韻・文字体系が異なるので、日本語では現実的でないと思っていた。日本語の表記法が優れたものとは思わないし、筆者の言わんとすることも分かる。それでも、唯でさえ弁当箱と一部で揶揄される京極夏彦本が正立方体になり、片手で持てなくなるという一点において私は反対だ!(笑)途中苛ついたが読後感は悪くない。どうやらツラン文化圏のロマンにやられたようだ。トルコ語でも勉強するか!2012/09/12
西澤 隆
7
漢字習得は漢字を含む母語を使う人以外にとって投下コストになかなか見合わない困難だし、書き言葉を媒介しなければ伝わらない情報もある。徹底的に言葉を「ツール」として考えればこういう考え方はひとつの見識。しかもそれは単なる思いつきではなく深く広い教養の上に立った確固たる意思で書かれているわけで、僕がふと思いつくような反論なんて内包しているのだと思う。思うのだけれど言葉は気持ちによりそう非機能性の極みとしても存在するわけで読了して強く思うのは「そんなの絶対イヤだ」。この本、実験として漢字なしで書けばいいのになあ。2019/03/19
kenitirokikuti
6
図書館にて。刊行2011年5月であるため、リアルタイムでは読まなかった気がする。第四章「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ は、今年2021年に出た『ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義』 (ちくま新書)』とだいたい同じ内容であった▲国語改良についてうるさいのは、田中せんせが手書きだからだろう。言語共同体(スプラッヘゲマインシャフト)は運命共同体なのだが、スマフォの普及によって海外移住した中国人が華僑化(土着化)しないというのがいまである。田中せんせ、デジタル帝国主義から疎外されてる2021/08/08
ヒコ。
5
日本語は漢字を捨てればグローバルな言語になるという主張。言葉は音がその本体であり、意味は映すが音は不完全にしか映せない漢字、例えばカンジは漢字・感じ・幹事…と解釈し得る、それは日本語を表すには適していない。漢字を音読みで使う上ではその通りだと思う。でも和製漢語を大量に生み出した明治期について、もしそうしていなければどうなっていたか、rightをどう約すべきだったか、あと一歩踏み込んだ論が欲しかったと思う。あと、著者のお怒りが論理的に著述されてるいい文書だと思います。好きです2014/03/17
-
- 電子書籍
- ボクの知らないカノジョ【単話版】(18…
-
- 電子書籍
- 神童勇者とメイドおねえさん【分冊版】 …




