出版社内容情報
地獄は地獄をよぶ
金髪、碧眼の愛くるしい外見ながら
『悪魔』と忌避される
帝国軍のターニャ・フォン・デグレチャフ魔導中佐。
冬までのタイムリミットを約二ヶ月と見積もった
帝国軍参謀本部は積極的な攻勢か、越冬を見通した戦線再構築かで割れていた。
激論の末に導き出された結論は、攻勢に必要な物資集積の合間での『実態調査』。
実行部隊として、ターニャ率いるサラマンダー戦闘団は白羽の矢を立てられる。
進むべきか、踏みとどまるべきか?
逡巡する暇はない。
地獄が地獄を呼び、止めどなく激化してゆく戦争。
誰もが、守るべきものを心に抱き戦場に向かうのだ。
すべては「祖国」のために。
内容説明
金髪、碧眼の愛くるしい外見ながら『悪魔』と忌避される帝国軍のターニャ・フォン・デグレチャフ魔導中佐。冬までのタイムリミットを約二ヶ月と見積もった帝国軍参謀本部は積極的な攻勢か、越冬を見通した戦線再構築かで割れていた。激論の末に導き出された結論は、攻勢に必要な物資集積の合間での『実態調査』。実行部隊として、ターニャ率いるサラマンダー戦闘団が白羽の矢を立てられる。進むべきか、踏みとどまるべきか?逡巡する暇はない。
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Aoi-Takt本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
47
図書館本 自分たちが戦っている相手の正体が、コミュニストではなくナショナリストと気づいたターニャ、いやもう優秀過ぎる。そしてそれを受けたゼートゥーア閣下も。優秀な者、ポンコツな者が顕著に現れた今巻。人材不足の帝国軍にスカウトできるなら、タフネスの権化 メアリースーが是非とも欲しいところですが……。2020/11/09
なっぱaaua
34
この本を読み進めていくと人事の仕事をしている錯覚にとらわれる。幼女とタイトルはついているが、ザ・サラリーマンの話でもある。それが戦争に繋がっていく恐ろしさ。情報戦も大事という本当にビジネスの話と共通しているのが、可笑しいのと背筋が寒くなる。相変わらずの読みにくさであるが、楽しく読めました。2017/03/31
hisa_NAO
31
この題名で、仮想戦記モノで、ラノベ分類。が、実はどうしてどうして、かなり刺さるお仕事小説でもある。饒舌な主人公に喋らせる喋らせる。曰く、 「事故は、ちいさなミスの隠蔽が積み重なってひき起こされる。小さなミスを隠す組織に、大きな隠しきれないミスが止めを刺すことだろう。」 「一度犯してしまったミスは、対応されねば必ず繰り返されるのだ。」 「マニュアルで対応できない事態に対し、マニュアルに記載のない行動をとることが許されるのは、マニュアルを熟知している人間だけだ。」 凄みあるセリフの数々。 作者、何者??2018/10/20
鐵太郎
24
史実の独ソ戦の泥沼感と一方的な結果をどう払拭するか、と言う一つの案でしょうか。人的にも物資的にもじり貧からどか貧に至りそうな銃後の経済状態の中で苦闘する帝国は、しかし今戦争を終えることはできない。ではどうするか。ならば、とターニャの中の人、つまり21世紀日本30代の捻た歴史・戦争マニアは考える。前提から考え直せないか。と言うわけで連邦、つまり国家としての(今の)ロシアと戦うのではなく、連邦を支配し人民を搾取している組織と共に戦おう、と呼びかけるのはどうか。──ふむ、これもまた一つの歴史改変かな。2022/09/18
SIN EIM
23
【対共産戦略】コロナ下にアメリカが中国に行っていた「共産党=中国国民とは思わない」演説。ウクライナ進行の時に、ロシアが考えていた「演習に見せかせたあと多数による一斉進行」。ナポレオンやヒトラーが侵攻した時にたぶん連邦政府がやっていたこと、などが展開されるのがこの巻。特に近年のウクライナ進行と重なる部分が特に面白い。歴史は繰り返すものだし、世界大戦の繰り返しを軌道修正することができずに現在進行形で進んでいる、のかもしれない。この小説に記される物語が、一部予言となってしまうかもしれない。2025/02/23