内容説明
帝国の衰退期、民衆の生活は“闇の獣”によって脅かされていた。「特命だ。おまえにはこれを届けてもらおう」平凡な青年フィンが託されたのは、遙か彼方の軍団に救援を求める文書。絶望の荒野、暗闇から忍び寄る脅威に削られる心。そんな夜、フィンは不思議な少女と出会う―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
16
★★ 悲惨な状況と子供っぽいキャラクタがちぐはぐに感じる。「月蝕島...」のように、雰囲気は暗いのに登場人物はイキイキといていると面白いんだけど、この本は紙芝居を読んでるようだった。1巻だから説明的なのかもしれないけど。D2021/06/04
歩月るな
14
Web版未読、書籍化作品の中でも異色なのか、あくまでも基本に忠実で真新しい事はない。北辺の地ゆえ帝国中枢の目が届かず、人の上に立てるだけで大物だと皮肉られる軍団司令官が権力をふりかざし、そんな世界構造の片隅で足掻き苦しむ少年。泥をすする逃避行の末、恐れるべき闇の獣ではなく人間相手に殺されかけ死の淵で、ヒロインと誓いを立てて力を得る。叙事詩の竜候とは違う、と伝説扱いでも二巻から竜候の新キャラが続々と。これから絆を結んだ代償と言うやつが降りかかるのだろう。出てくる普通の人々たちが大いに魅力的なのは素晴らしい。2018/02/25
いいちゃん
14
面白かった。子供向けのファンタジーなつもりで読んでたら、意外と容赦なくてドキッとさせられることも。ユーチスには驚いた。主人公のフィンは、一生懸命で真面目で、正義感あって、応援したくなります。彼とレーナのピュアな交流が微笑ましいです。ヴァルトとフィンの隠された関係が気になる。次巻買わなきゃ!2015/10/21
フジ
13
この手のラノベってけっこうパッと読めるんだけどこれは1ヶ月間かかって、やっと読み切りました。長かったなー。文章のリズムに多少とっかかりずらさは感じたけど、王道ファンタジーはやっぱりいいです。ただ家族みんなで安心して食卓を囲みたいというささやかな願いが叶わない世界ですが、だからこそ家族で寄り添って生きていく姿に心打たれます。こういう危機的な状況こそその人の本性がわかりますね。フィンはかなりお人好しというかこの話の良心ですね(^-^)2014/04/30
Yoko
7
物語は序章で、暗く混乱している国情がそのまま主人公とその家族の運命に重なる。ひとつまたひとつと謎は増えるばかり。この先の主人公が自分の運命に立ち向かう様と謎が明かされてゆくのが楽しみ。2015/03/30