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内容説明
生きたまま埋葬された青年を掘り出したのは、一人の美しい少女だった。心を持たないからと、人間から忌み嫌われ『名前のない化け物』と呼ばれた彼に、少女エリーゼは微笑み手を差しのべ、告げる「私はずっと、貴方を探していたのかもしれませんね」。彼女もまた『穴蔵の悪魔』と呼ばれる別種の化け物だった。だが彼女は、一族を激しく憎み『穴蔵の悪魔』を殺すためだけに生きていた―儚く哀しい化け物達の闘争を描いたダーク・ファンタジー開幕。
著者等紹介
綾里けいし[アヤサトケイシ]
『B.A.D.』1巻で第11回「えんため大賞」優秀賞に輝き、見事デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
53
化け物の化けるという字は、小さな人間が立っていて、それよりも少し大きな人間が座り込んでいて、二人で背中合わせに互いを守っている字。この本を読み終わった時に、なんとなくそう思った。自称化け物である今は失われた名前の少女と、かつて名前のない化け物であった青年の、少し切なくてひどく救われない、グロテスクなラブストーリー。作者がずっと気になって居た人で、挿絵がるろおさんだったので迷わずでした。二人が食事をしているシーンが、いかにも二人で生きてゆく、という感じがしてすごく好きです。エリーゼのお着替え後も見たかった。2013/10/09
T.Y.
21
主人公の設定はフランケンシュタインの怪物風。血腥い描写と、必ずしも皆が救われはしない残酷な後味の悪さという作者の作風は変わらず、だが二人の孤独な怪物が出会い寄り添う物語は、不思議に美しい。2013/04/03
KEI
15
購入。「B.A.D.」の綾里さんの新シリーズ。素晴らしい。最初こそ作品自体と距離感を掴めなかったが、後半から一気に惹き込まれた。同族殺しを目的とする少女エリーゼと同道する名前のない青年グラン、二人の化け物の物語。エリーゼが自分の目的のためだけにグランを救いパートナーとして選んだかと思っていた。しかし、本当に救われていたのは彼女だったのかもしれない。もはや誰にも呼ばれなくなってしまった二人だけが知っている名前が何と甘く響くことか。凄惨でありながら優しく繊細で、どこか温かい気持ちになれるダークファンタジー。2013/04/04
ギンレイ
13
【寄り添う化物】 心を持たない化物は掘り起こされ、少女の復讐に付き合う事に―― 雰囲気から入るタイプのダークファンタジー。 同族への復讐劇と同時に青年の心を取り戻すような揺さぶりは中々かと。 先を見越しているためか進みがゆっくりなので、そこがもったいなかったかな。 これから本格的になっていくのでしょうかね~ 評価は ★★★★★★★☆☆☆ 7個星です!!2014/04/01
ナコち
9
電子書籍購入。BADの作者だとは読後知る。凄惨な場面、人間の愚かしさ。ダークファンタジーに相応しい。連載もの特有の流れはあるものの、順を追って読めば苦もない。一巻で完結している昨今では珍しい構成だが、本来キャラ紹介で一巻を費やす方がおかしい。その点、この作品は構成も演出もいい。次巻に大いに期待出来る。化け物には化け物のアイデンティティと倫理観があるが、あの方の行動は化け物の中でも異常であろう。BADよりも導入がソフトなので、入門には適している。2013/12/16
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