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内容説明
人間の悲しみとは何か?癒やしの希望とは?日本人の「悲嘆」の現場に寄り添い続ける「グリーフケア」の第一人者が説き明かす。天災、病気、失業、事故、失恋…人生という「喪失の連続」を生きるための処方箋。
目次
第1章 “喪失の積み重ね”としての人生
第2章 人生の選択肢を失う悲しみ
第3章 愛するいのちを失う悲しみ
第4章 自らの死といかに向きあうか
第5章 悲しみを前にした私たちの孤独
終章 悲しみの乗り越え方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honesty
4
この本を読んで、少なくとも自分の悩みなど小さなことだと思えた。大切な人を亡くすことは誰でも経験すること、そのときに味わう喪失感は今の僕には想像できない。豊富なエピソードをもとに、どのように悲しみを乗り越えていくのかを考察している本。ありのままの感情を自分で受け入れることからスタートし、その感情を他人に聞いてもらう、また聞くときは全面的に信頼して聞いていく。僕が誰か大切な人を失ったとき、この本をもう一度読んでみようと思う。2011/07/09
カスミソウ
3
すごく似た境遇の方のお話があったが、私とは全く違う反応の仕方で、悲しみ方とは人それぞれなんだなと思った。 いつか私もお手伝いできたらいい。2017/05/06
白玉あずき
3
患者文庫用だが、グリーフケアには興味を持っている看護師も多いので利用が多いかもしれない。具体的なエピソードが多くて、あっという間に読めてしまう。これを読んで悲しみが癒されるわけでもないが、自分が一つの物に執着しとらわれている状態を自覚するにはいいかも。受容し、抑圧せずに表出し、新しい出会いに備えて心を開いておくこと。でもそれが難しくてなかなか思うに任せない。精神衛生のために宗教的儀礼は有用だ。2013/07/03
rana
3
喪失感・・・悲しみをどう乗り越えるのか・・・その時になってみないと分からないことでしょうね。昨年の東日本大震災では、多くの方が亡くなられ、まだ行方不明の方もたくさんあり、そのお一人お一人にご家族があり、その方々の苦しみを思うとやりきれないです。2012/10/28
イチイ
2
人生において誰もが経験することのなる様々な喪失に対していかに向き合い、唯一無二の自分の人生を完全に生き切るのかを解く啓発書。著者の本には死別をテーマとしたものが多いが本書ではそれ以外にも失恋、病気や身体損傷、社会的地位の喪失、そして自分自身の死などより幅広い喪失を扱っているところに特徴がある。傷つきを経験したことのあるものが同じ経験をしたひとの回復の助けとなるのと同じように、喪失に傷つくもその経験を良いものに変えようとしたひとたちの事例を多く読むことができるのは良かった。2020/02/05