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内容説明
深刻な不況下、激増する自己破産や多重債務者を生む一因として、露骨な高金利や非情な取立てを糾弾される金融業界。しかしその真実の陰で、一部の大手サラ金を除き、信販会社ほか多くの企業は巨額の不良債権を抱え、現場の社員は歪んだ企業論理と壮絶な多重債務者との板挟みに陥っている。一体何が彼らを狂わせるのか。知られざる債権回収の真実を“現場の視点”から照らし出す。
目次
第1章 債権回収というしごと(取立てってなんだ;督促は手法なのか;連帯保証人 ほか)
第2章 取立てビジネス(組織;癒着;不正 ほか)
第3章 我は債務者(債務者・多重債務者・不良債務者;巻き込まれる;自己破産 ほか)
著者等紹介
岡崎昂裕[オカザキタカヒロ]
1960年、熊本県生まれ。大学を中退後、某大手信販会社に13年間勤務し、一貫して債権管理・回収業畑を歩く。その後、調査会社に転職し、失踪者を探す仕事を生業とする調査員=探偵となるが、2000年、体調不良のため同職を退く。この頃より、自らの体験を元にした記事を雑誌・新聞等に寄稿しはじめ、同年『失踪する人々』(宝島社新書)を上梓。2001年には、『依頼者』(幻冬舎)にて小説デビューを果たすなど、その執筆範囲を広げている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
13
辛い仕事だろうなぁと思った。もう少しエピソード部分を多く膨らましたらもっと面白い読み物になるだろうなぁと言ったら不謹慎か2011/11/24
山田太郎
13
元金貸し業勤務としては、驚くことはなかった。信販系だから、まだましじゃなかったのと思わないではありません。しかし、借金取りって職種は今なくなりつつあるのかな、多分。2011/09/15
shigoro
3
借りるときは皆調子良いこといって借りていくけど、返済できなくなってしまう人もそりゃ多いだろうな。そうゆう人から債権を回収するのは大変そうだよな。無いものは払えないと居直る人も、勝手に行方をくらます人も出てくるしね。自己破産をもっと法的に厳しくしないと債務者は気軽に破産していくからな。2011/04/30
Humbaba
3
お金を借りるときは貸す方が強いが,お金を返すときは返すほうが強い.たとえどれほど巨額の債権を有していようとも,相手が無一文であれば何にもならない.それを避けるために債権回収という職業があるが,それは決して火の当たるところにでられる商売ではない.2011/03/22
海
2
せっかく面白い題材を扱っているのに、文章が固すぎると言うかあまり抑揚のない感じなので、もっとドラマティックな書き方ならかなり面白くなるのになあ、と思った。多重債務者に泣きつかれても親兄弟は絶対肩代わりしちゃいけない、と言うのは債務者の血縁者から見ると鉄板の対処法なのだが、回収する側はとにかく回収できれば肩代わりでもなんでもいいってところが債務者のその後の人生など知ったこっちゃない、と言った感じがした。2012/05/29