出版社内容情報
戦国大名家きっての名門、小田原北条家の五代目にして最後の当主・氏直。小田原合戦の翌年、羽柴秀吉の旗本家臣として政治的復活を遂げたものの、直後に不慮の死去を遂げた。戦国時代の最終局面を生きたわずか30年の生涯は、「天下人」信長・秀吉・家康との関係に彩られた人生であった。知られざる氏直の生涯をたどりながら、大名同士の抗争の時代から「天下一統」が遂げられていく、戦国社会の激動の状況を鮮やかに活写する。
内容説明
戦国大名家きっての名門、小田原北条家の五代目にして最後の当主・氏直。小田原合戦の翌年、羽柴秀吉の旗本家臣として政治的復活を遂げたものの、直後に不慮の死去を遂げた。戦国時代の最終局面を生きたわずか30年の生涯は、「天下人」信長・秀吉・家康との関係に彩られた人生であった。知られざる氏直の生涯をたどりながら、大名同士の抗争の時代から「天下一統」が遂げられていく、戦国社会の激動の状況を鮮やかに活写する。
目次
第1章 幻となった信長娘婿の立場
第2章 家康娘との結婚と当主としての自立
第3章 秀吉との政治交渉と惣国防衛態勢
第4章 秀吉との決戦と敗北
第5章 小田原合戦後の氏直
第6章 秀吉・家康と氏規・氏盛
著者等紹介
黒田基樹[クロダモトキ]
1965年東京生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。専門は日本中世史。駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
18
信長の野望シリーズだと歴代当主と比べて凡庸な能力値であるが、それ以上に父の氏政が自害した故に史実よりも長く生きれるのに対し病死故に父に先立って死ぬ寿命の短さという致命的な弱点を持つのが氏直のイメージであるけど史実においても家康の婿というバックがあり高野山の蟄居が解けて豊臣家の旗本として再起の道を歩んでいたという所で疱瘡により若死するという不遇振り。2021/07/16
MUNEKAZ
15
小田原北条氏の5代・氏直の評伝。隠居の父・氏政の影に隠れて主体性なしという印象も強いが、小田原征伐での降伏交渉や滅亡後の大名復帰など、彼の政治的な動きで「北条」の家名が残ったことも事実。前代までとは異なり「強大な中央政権」というものと対峙せざるを得なかった若き当主の難しさが伝わってくる。また歴史に「もしも」はないが、家康の娘婿という立場故、関ヶ原後まで長生きすれば現代の評価も違っていたのだろうなという感想も。不運と言ってしまえばそれだけだが、さぁこれからというときの病没は無念の極みだったろうなと。2021/09/03
kawasaki
9
え、北条氏直で一冊本ができるんだ!?と失礼ながら思ってしまった、5代当主と「その後の北条家」をめぐる一冊。やはり小田原合戦が大きな比重だが、開戦に至るまでの「秀吉の勘違い?」などの出来事の連続が、今年の大河ドラマ(鎌倉殿)のようなすれ違いとコミュニケーション不全の悲喜劇で(何しに出てきた小田天庵!)、後世の者が知る歴史的大事件も、渦中の人には「日常」の延長であったことを感じさせる。姿を変えた時代の荒波を見据え、必死に立ち向かい、これからというところで早世した、若き当主の残像が残る。2022/06/19
フランソワーズ
9
通説では、先代氏政に隠れた実権のほとんどない当主と言われていた氏直。若さもあって軍事・外交面では父主導であったが、領国統治に関しては氏直に任されていたと。小田原征伐がなかったら、従前通り政権委譲が行われていたと思われます。それだけに時勢に飲み込まれた不運の当主でした。本書は小田原北条氏滅亡までと、その以後の氏直、さらに氏規・氏盛等の後代の事績を追っています。→2021/09/10
オルレアンの聖たぬき
5
戦国大名として最後の北条家当主としての氏直公。若くして亡くなったのが本当に惜しい。彼がもう少し長生きしていれば江戸時代にはどんな人生があったろうと。10年余りの活動を通してもう少し氏直公がどんな人だったのかと深く考えさせられた。2021/09/19
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