角川選書<br> 和歌史―なぜ千年を越えて続いたか

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角川選書
和歌史―なぜ千年を越えて続いたか

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047036536
  • NDC分類 911.102
  • Cコード C0392

出版社内容情報

人々は、万葉集の時代から言葉と人による網目のような縁をつくり、あるときには「本歌取り」を通して時代をこえた会話をし、一時代にはグループを作って時代ごとの言葉の塊を形成してきた。本書では、和歌の縦の歴史を追いながら、言葉と言葉によってできた網のようなつながりを解き明かす。表現の背後にある観念を析出し、系譜化する。和歌研究の地平をひらく画期的な書!

内容説明

言葉には、意味を越えて心に届く力がある―七世紀前半には形態を整え、江戸時代まで続いた和歌。なぜ三十一文字の定型詩は千二百年以上も続いたのだろう?額田王から、紀貫之、紫式部、西行、藤原俊成・定家、細川幽斎、香川景樹まで。歌人たちが紡いできた言葉と言葉は、本歌取りや掛詞、縁語などを通して網の目にようにつながり広がっている。連綿と続く「言葉の網」を通史的に読み解き系譜化し、和歌史全体をとらえ直す!

目次

額田王―宮廷に演じる
柿本人麻呂―劇を歌う
山上憶良―到来するものへのまなざし
大伴家持―和歌史を始める
在原業平―生の境界で歌う
紀貫之―言葉の想像力を展開する
曾禰好忠―身の想像力を解放する
源氏物語の和歌―創作感覚を刺激する
和泉式部―生と死を越境する
源俊頼―連動する言葉と想像力
西行―変貌を演じる
藤原俊成・定家―「古典」をつくる
京極為兼と前期京極派―あわいにひそむ意志
頓阿―正統派和歌の普及者
正徹―想念と感覚にまぎれる
三条西実隆―「みやび」を守り立てた文化人
細川幽斎―戦国を生き抜く歌道
後水尾院―和歌の価値を高める
香川景樹―溶け込んでいく「しらべ」

著者等紹介

渡部泰明[ワタナベヤスアキ]
1957年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。フェリス女学院大学、上智大学を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は和歌文学・中世文学。著書に『中世和歌史論 様式と方法』(岩波書店/40回角川源義賞文学研究部門受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

8
短歌修行のために。この著者さん、寺山修司に感電しただけあって、短歌の精髄を掬う手つきに演劇的な(と言えばいいのか)おかしみがある。手つきというより体の動かしかたと言えばいいのかな。よい。古典の名歌に入っていってその中から動体的に誘われる味わいを語ってくれるから、論理よりも感覚で読んでいくところが、やっぱりよい。思い返すと文法的な解説ってあまりないのよ、この本。短歌があって、そこに働いている想像力や作者の立ち位置・演技生活、言葉のロゴロジカルな働き、それを扱っている。2021/05/17

kenitirokikuti

7
図書館にて。「後鳥羽院」。『後水尾院御集』の巻頭を飾る歌、〈試筆古今御伝授翌年 時しありと聞くもうれしき百千鳥さへずる春を今日は待ちえて〉。「百千鳥」は「稲負鳥(いなおおせどり)」「呼子鳥(よぶこどり)」と並び三鳥と呼ばれるもの。百千鳥は古今集・春上・二八「百千鳥さへずる春は物ごとにあらたまれども我ぞふり行く」に由来。後水尾院の受けた伝授では臣下を指す。稲負鳥は今上帝、呼子鳥は関白。2022/07/30

shouyi.

7
万葉の昔から続く和歌の歴史を時代毎、代表的な歌人の歌を中心に語る。とてもワクワクする本。渡部先生の歌への情熱が伝わってくる。岩波新書で渡部先生の和歌入門を読んだら、次はこの本で正解だったな。2022/02/25

そうび

5
鎌倉期以降に詳しくなかったので、概略を知るのが楽しかった。頓阿、正徹、三条西実隆、細川幽斎、後水尾院、香川景樹。地下から和歌の宗匠が生まれるっていうのが時代を感じる。古に学び、清新な感覚を磨くっていうのは共通項。しかし作者のクセが強くて、ちょっと私には合わなかった。2021/08/16

Eri

5
和歌のことはよくわからないけど、訳を読むと当時の人たちが感じた想いや気持ちに自分の思いを重ねられるようで、時代を超えて心が通じ合えた気がして素敵だなと思っていた。そんな初心者にとってもこの本はわかりやすく、和歌の歴史をひとりひとりの歌人の作品と一生を振り返りながら解説してくれる。和歌とはいったい何なのか?が語られている「はじめに」がもういきなりわかりやすい。初めて和歌のことを知るガイドブック的に手元に置いておきたい本。2021/02/14

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