出版社内容情報
江戸時代初期、寛永文化を支えた重要人物、茶人・小堀遠州の素顔に迫る!小堀遠州の生きた時代は、後水尾天皇を中心とし、茶の湯では、千宗旦・金森宗和・小堀遠州、生け花では池坊専好、儒学では石川丈山・林羅山、禅では沢庵宗彭、書は寛永の三筆(近衛信尹・松花堂昭乗・本阿弥光悦)、美術では、俵屋宗達・狩野探幽・野々村仁清などがいて、まさに文化が花開いた時代だった。当時の建築物としては桂離宮・修学院離宮・日光東照宮などがある。
その時代に、幕府の作事奉行として、デザイン等を仕切っていた小堀遠州の人物像は、意外に知られていない。本書では、茶陶研究の第一人者である著者が、当時の茶会記や、周辺の記録を分析し、その考え方や人物像を明らかにしていく。草庵の囚われを排除し書院を茶室にして、端正な品格を生み出し、また中国、朝鮮半島、オランダに焼き物を注文するなどその美意識の高さはいまなお注目に値する。千利休、古田織部と並び称されるまでに新しい茶の世界を切りひらいた芸術家・小堀遠州の美意識とは。
矢部 良明[ヤベ ヨシアキ]
1943年生まれ。東北大学文学部美術史科修了。東京国立博物館工芸課長、同考古課長、郡山市立美術館長を経て、人間国宝美術館長。『角川日本陶磁大辞典』編集代表をはじめ、『千利休の創意』『茶の湯とやきもの』『武将茶人上田宗箇』など著書多数。37歳の時に茶事を体験したことがきっかけで、茶の湯に関心を持ち、43歳で茶事を実践し始める。茶の湯の研究では、主として草創期から桃山時代の主導的茶人である珠光、武野紹鴎、千利休、豊臣秀吉、古田織部、上田宗箇などの動向を美意識の観点で研究し、その成果を発表してきた。
内容説明
歌を詠み、花を生け、多彩な交遊関係・パワーバランスのなかで寛永のサロン文化を支えたと伝えられる小堀遠州。時は後水尾天皇を中心として、まさに文化が花開いた時代だった。幕府の作事奉行として、当時多くの建築・作庭などに才を発揮した遠州の茶の湯の世界観を、当時の茶会記や、周辺の記録から分析し、その考え方と美意識を明らかにしていく。
目次
第1章 小堀遠州の茶歴
第2章 古田織部の茶の湯を継承した遠州
第3章 小堀遠州の茶道具観
第4章 小堀遠州に関わる書跡と茶杓
第5章 小堀遠州と中興瀬戸茶入
第6章 松平不昧が見た遠州所縁の中興様式と中興名物
第7章 晩年の小堀遠州の点前と会席
著者等紹介
矢部良明[ヤベヨシアキ]
1943年生まれ。東北大学文学部美術史科修了。東京国立博物館考古課長、同工芸課長、郡山市立美術館長、薩摩伝承館長を経て、人間国宝美術館長。『角川日本陶磁大辞典』編集代表をはじめ著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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