出版社内容情報
18世紀、朝鮮王朝時代。王宮文化が開花する一方で、都に住む庶民たちは独自の文化を育んでいた。西欧人の見聞録を通してのみ語られてきた、王朝時代の「庶民の暮らし」に迫る、初の韓国庶民生活誌。
内容説明
18世紀、朝鮮王朝時代。王宮文化が開花する一方で、都に住む庶民たちは独自の文化を育んでいた。身分制度の矛盾と戦いながらも、日々を楽しんでいた彼らの生活は、どのようなものだったのか。さまざまな史料や記録を使い、西欧人の見聞録を通してのみ語られてきた王朝時代の庶民の暮らしに迫る!庶民生活と庶民が育んだ文化の魅力を描く、初の韓国庶民生活誌。
目次
第1章 朝鮮時代の歴史と身分制度(朝鮮時代の時代区分と歴史の流れ;朝鮮時代の身分階層)
第2章 朝鮮の首都・漢城(漢城の都市計画と居住地域;漢城府と漢城判尹;漢城府の「部」の役割;漢城の人口と住民構成;漢城の戸籍からみえる人々の暮らし;漢城の治安機関)
第3章 朝鮮時代の衣・食・住(朝鮮時代の「衣」;朝鮮時代の「食」;挑戦時代の「住」)
第4章 漢城庶民の生活事情(歳時記;時刻;夜間通行禁止 ほか)
著者等紹介
水野俊平[ミズノシュンペイ]
1968年、北海道生まれ。北海商科大学教授。天理大学外国語学部朝鮮学科卒業。全南大学校大学院(国語国文学科)博士課程修了。全南大学校講師、明知大学校講師などを経て現職。専攻は韓国・朝鮮語(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
2
いろいろな生活史を集めるのが好きなのもあるのですが、この本を手に取った理由は何と言っても今NHKでやっている韓国ドラマ「トンイ」です。ドハマりして毎週楽しみに見ています。扱っている時代がちょうどかぶっていたので確かに興味深く読みはしましたが、生活史の本としては退屈な部類に入るでしょう。資料の制約もあるでしょうが、もうちょっと生き生きとした、人々の生の声を描けないかと思います。庶民がテーマだからと言って両班や奴婢を排除した著述にこだわる必要はなく、広く中流層と考えればもっと魅力的になったかと思うのですが。2013/10/08
ぱらっぱ
1
朝鮮王朝時代の庶民生活について書いているが数百年続いた時代の背景についての言及が乏しいためなぜこうなったのか分からない。もっと主題を絞りこんで書いてほしかった。あれもこれも書くと総花的で中身の薄い本になってしまう。2015/05/02
転天堂
0
いずこも同じだが、支配者階級の記録は文字として残されるが、庶民の昔の生活の記録をたどるのは大変である。著者は朝鮮王朝時代の首都・漢城の庶民の生活について、残された様々な記録からよみがえらせていく。その視点は治安、住居、食べ物、着るもの、汚物処理など多種多様である。ドラマでもおなじみのクッパ屋やかぶりもの、捕盗庁、救荒対策、疫病などの知識が得られるのは面白い。それにしても正祖が「…と述べており」というたびに、イ・ソジンの顔と声で脳内再現してしまった(苦笑)。2024/06/07