角川選書<br> 「暁」の謎を解く―平安人の時間表現

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角川選書
「暁」の謎を解く―平安人の時間表現

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047035218
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C0395

出版社内容情報

平安時代、暁は逢瀬を楽しんだ男女が別れる時間だった。では暁とは何時だったのか? 当時の時間表現に関する語の意味を明らかにすることで、これまでとはまったく違った解釈で古典作品が読み解ける。画期的な新説!

内容説明

『枕草子』の次の場面から何時を想像するだろうか。「夜が明けてしまいそうですね」「今さら寝てはだめですよ」。実は午前2時30分の一場面だ。時代を隔てているとはいえ、不自然さが残る。男女の別れの時刻である「暁」や、「宵」「夜もすがら」など、おなじみの時間表現を子細に検討。作品の矛盾を解き、平安人の時間感覚に迫る。新たな古典の世界を拓く画期的考察。

目次

第1章 平安時代、日付はいつ変わったのか
第2章 「暁」―男女の思いが交錯した時間
第3章 「有明」―平安人の美意識が重なる言葉
第4章 動詞「明く」が持つ重要な意味
第5章 「夜もすがら・夜一夜」―平安人の「一晩中」とは
第6章 「今宵」―今晩も昨晩も
第7章 「夜をこめて」―いつ「鳥の空音」をはかったか?
第8章 「さ夜更けて」―午前三時に向かう動き

著者等紹介

小林賢章[コバヤシタカアキ]
1949年、名古屋市生まれ。同志社女子大学表象文化学部教授。大阪大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。帝塚山短期大学、大阪府立大学を経て、1989年より同志社女子大学。主に、古代の時間表現を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅてふぁん

3
平安文学初心者なので難しかった…。この時代は午前三時に日付けが変わったということ。それを前提としてこれから文学作品・和歌を読んでいこう。そして、ある程度読み漁ったあとに、もう一度この本を読んでみようと思う。2015/12/23

takao

2
平安時代は日付は午前3時に変わる。この時間は、人々が活動を始める時間であり、男が女の家から帰る時間でもある。お寺の鐘で時間がわかったのだろう。 「明く」とは、午前3時に至ること。「暁」とは、午前3時から午前5時まで。 2019/11/06

Myrmidon

2
なるほどなあ、という。豊富な実例とともに、平安時代の「夜明け」が午前三時だったという説を主張する。自分にはその説の妥当性を検討できるほどの知識は無いが、載せられている実例からは確かに正しいような気がする。それにしても、「夜」みたいな基本的な語彙の意味・用法すら未だに確定していないとは、古典研究は難しい世界だなあ。あ、本書の内容は寄り道なしにひたすら「夜・夜明け・暁」などの時間表現を検討する内容なので、古文に「興味がある」程度の一般読者にはあまりお勧めではない気がする。2018/04/02

たけとり

2
学校で古典を習っていた頃、辞書片手に訳してても暁、有明、夜もすがらの意味がいまいち噛み合わなかったのだけれど、この本の「午前三時が当時の日付変更時点」という説明でなるほどなぁと。これなら色々な和歌や古典の状況が納得いくというか。最初のページにそれらの語句が指す時間が円グラフでまとめられているので、確認しながら読めて便利でした。2015/09/28

shou

2
平安時代の日付変更線は午前3時であり、夜を「明かす」とは3時をまたぐことであり、「暁」が指すのはその後の時刻、つまりまだ闇の世界とする説。となると、薄明かりの中に帰っていく貴公子たちの後ろ姿なんてのは見えなかったわけで・・・真っ暗闇の中で泣き伏す姫君たちの姿なんてのも今ひとつ情感が・・・(笑)2014/04/18

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