出版社内容情報
空海は「曼荼羅」で何を伝えたかったのか?
日本仏教が生んだ最大の天才、弘法大師・空海。彼が開いた真言密教は、深遠な教えを視覚化した。色鮮やかな曼荼羅に秘められた教えとは何か? 密教美術から空海の実像と悟りの世界を解明する真言密教入門。
内容説明
日本仏教が生んだ最大の天才、弘法大師・空海。かれが開拓した真言密教は、深遠な教えを視覚に託した。色あざやかな曼荼羅、個性ゆたかな如来、喜怒哀楽をあらわにする菩薩や明王、古代の武器にゆらいする密教法具。それらを総動員した立体曼荼羅。そこに秘められた空海の教えとは何か?「密教美術」から空海の実像と悟りの世界を解き明かす、真言密教入門。
目次
第1章 東寺の秘密
第2章 曼荼羅とは何か
第3章 密教仏の魅力
第4章 密教の儀礼と法具
第5章 現代に生きる空海の密教
第6章 空海の生涯と伝説
著者等紹介
正木晃[マサキアキラ]
1953年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授、純真短期大学教授を経て、慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師。日本密教・チベット密教を研究し、修行における心身変容や宗教図像学(マンダラ研究)が主な研究課題。密教、マンダラなどの著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みみりん
11
空海も真言宗もガイドブック程度の知識で高野山に行ってきました。密教とは何か、曼荼羅は何を現しているのか。少しわかりました。空海がお大師様と人々に崇められているのは自らが修行するだけでなく唐で得た様々な知識を使って土木等にまで関わり救ってきたからだそうです。開祖でそのようなことをしたのは空海だけだらしい。2023/05/10
ハヤカワショボ夫
1
空海の密教美術についての本。初期仏教の悟りの定義「無」であるが、密教は具体的な宇宙と私が同じであるという「梵我一如」とし、深遠な教えを視覚に託し大衆に受け入れやすいものに進化させました。だから仏教は当初表現について消極的だったが、密教では悟りを求めるため象徴として発展し、曼荼羅・如来・菩薩・明王・仏教法具等多岐に渡ることになり、現代の仏教美術品の八割を占めることになりました。このような密教美術から空海実像に迫るという考察を期待しましたが、新しい視点は「空海が神秘体験を追うため唐に渡った」ことのみ。【家】★2015/08/15
アメヲトコ
1
曼荼羅入門とも呼ぶべき一冊。推測を交えた叙述も少なくないですが、説明は分かりやすく、また専門のチベット密教の知識を踏まえて世界史的な広がりのなかで語ってくれている点が面白いです。2014/06/13
onepei
1
このSFのような世界観、どれだけの人がどれだけの時間をかけて作り上げたんだろう。2013/02/22