内容説明
「咲く花の薫ふがごとく」と歌われ天平文化が花開いた奈良の都。630年~894年の約260年間に20回ほど行われた遣唐使事業は、平城京遷都や律令制度の形成、唐文化の移入に大きな役割を果たした。鑑真の来日や最澄・空海の入唐などの人的交流のほか、対等外交か朝貢関係か、賓礼や国書のあり方、対外認識と政策、もたらされた大量の文物など、遣唐使をめぐる諸問題をつぶさに検証し、その実像と文化受容の壮大な時代史を描く。
目次
1 遣唐使の概要
2 遣隋使から遣唐使へ
3 大宝度遣唐使の画期性
4 唐文化の移入
5 安史の乱と宝亀・延暦度遣唐使
6 最後の遣唐使
7 遣唐使のあとに続くもの
エピローグ 『参天台五臺山記』の世界へ
著者等紹介
森公章[モリキミユキ]
1958年岡山県に生まれる。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。奈良国立文化財研究所、高知大学人文学部助教授を経て、東洋大学教授。博士(文学)。日本古代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takashi
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遣唐使の制度てきな歴史と遣唐使に関わった人物史を描き出す。記述は一貫して丁寧で、ムラがない。遣唐使の終焉以後の唐文化の影響に関する記述など、刮目すべき内容も随所にちりばめられており、最後まで読み応え十分の一書。文化史的色彩の強い東野治之氏の類書とあわせて読むと、遣唐使にかかる歴史のパラダイムが理解できるだろう。2017/09/28
wang
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遣唐使の実際に行われたことを詳細に記述。実態が伝わる。留学生の出自やどうやって何を学んだか、帰国後どうなったか。あるいは船や船員、国書、経路等々。ただ細かすぎて興味の持てない事柄も多い。2010/06/08