角川選書<br> 芭蕉のうちなる西行―遁世・数奇・漂泊の系譜

角川選書
芭蕉のうちなる西行―遁世・数奇・漂泊の系譜

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784047032125
  • NDC分類 911.32
  • Cコード C0395

内容説明

数奇とは風流を意味し、数奇心とは詩心を意味する。西行の遁世は、あふれてやまない詩心に殉じたものと断定する著者は、王朝の美意識の系譜をとらえ、その上に立つ西行観を中心に据えて、さらには芭蕉へとつらなる日本文化の伝統について言及した。

目次

芭蕉のうちなる西行
芭蕉の挨拶について
良寛と越後びと
わが愛唱の西行歌
史上の西行
西行伝説と無常観
古典的漂泊と山頭火
遁世の世界
旅する女たち
平安朝の庶民女性
王朝の美意識と人間観
百人一首と王朝美の系譜
後鳥羽院小伝

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

18
図書館本。返却期限が来たのでとりあえず返却することに。西行についてある程度知識があったほうがいいような。初心者向きではなく、さらに西行理解を深めたい人用なのかと思う。宗教人としてよりも漂泊の歌人としての西行は、自由律俳人の生き方に似ているのかな。その姿を追ったのが芭蕉らの江戸時代の俳人であり、数奇という生き方はそうして現代に伝えられて行ったのだと思う。僧侶になっても捨てられなかったのが歌であり、それを極めている限り里山の遁世の人だった。しかし晩年は歌も捨てて求道者となって山に入ったという。2023/12/04

竹香庵

0
『西行花伝』があまりにすばらしく、もう少し西行と仏教周辺について学びたいと、芭蕉の西行感に期待して手に取った本。読むには読んだが、こうした内容とは少し違うものだった気がする。遁世・漂白・出家・流浪でもいいのだが、これらと西行これらと仏教ではなく、山頭火の流浪が語られるも、芭蕉は西行を追い、西行は歌枕の地を追ったとするなら、それはもう『西行花伝』で十分堪能できていた。庵を結びどう過ごしたのか、そう過ごすことがどう仏教しているのかについて深く分け入る本と出会い、人生の指針としてみたい。読み続ければいずれは…。2019/12/14

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