内容説明
本書は、現在の群馬・栃木県にあった「毛野国」に焦点をあて、従来の大和朝廷中心の観点を東国の方に移して書かれた、初めての古代史入門書である。
目次
序章 野生とフロンティアの東国
第1章 東国の在地活動
第2章 大和政権の東国掌握
第3章 東国の苦悶と抵抗
感想・レビュー
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印度 洋一郎
1
古代日本のまつろわぬ民といえば、東北のエミシ関係の本が多い中、東国(関東)の「毛野の国」に注目した珍しい本。古墳の形式・規模・変遷から毛野が大和に匹敵する東国の雄だった事を分析している。しかし、やはり基本的に資料が少なく、毛野氏が早くから大和に接近して王権の一翼(継体天皇の妻の実家は毛野氏の一族)を担うようになったためか、結局中盤以降はエミシ中心の記述になっている。東国本は難しいのだなぁ・・・。騎馬民族説や東日流外三郡誌を引き合いに出しているのも時代(80年代半ば)を感じるところ。2011/10/26