内容説明
本書は、これまで児童文学史が見落していた少年小説を再評価し、系譜をはじめて明らかにする。作品と主人公の魅力をよみがえらせ、読者の胸に少年の夢とロマンを再燃させる待望の書である。
目次
少年小説の系譜
明治編
大正編
昭和編
少女編
漫画編
絵物語時代へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
明治から戦前の昭和まで、子供達のハートを鷲掴みにしたポップカルチャーである少年小説の通史。作者とキャラクターをキーワードに、とかく「軍国主義のプロパガンダ」視されることもある作品を紹介していく。内容や作者の意図を分析していくと、流布するイメージよりも多様で奥深い世界であることがわかる。文体に、著者のあふれんばかりのこのジャンルへの愛が感じられるのが何とも楽しいが、採録されている少年小説の文体の力強さ、前向きさも印象的。帝国主義の時代は良くも悪くも、活力に満ちた時代でもあったようだ。2011/11/26