感想・レビュー
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韓信
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北京城内外の土地・建築物・寺廟等にまつわる民間伝承を集成。城の設計者として、北京へ来たことすらない劉基を、門や橋などの建築は、魯班やその弟子・妹に仮託し、井戸など水回りには龍が蟠踞する。さまざまな神仙や怪異を交えて語り継がれてきた伝承の数々は非常にイマジネーション豊か。北京の大衆にとってはどのような神仙や歴史上の人物が物語を託すに足るヒーローなのかがうかがえる内容でもある。原書刊行時はこういった神怪な伝承は抹消されつつあったようで、現代の北京では、本書のような話もどれだけ生き残っているのだろう。2023/08/10