角川叢書
歌が権力の象徴になるとき―屏風歌・障子歌の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047021501
  • NDC分類 911.13
  • Cコード C0392

内容説明

平安から鎌倉時代の初期、一流の歌人・絵師・書家の手になる「彰子入内屏風」「俊成九十賀屏風和歌」といった屏風・障子が制作された。これら歌が詠み込まれた屏風・障子は、藤原道長や後鳥羽院により企画され、今をときめく権力の象徴となった。歌はまた、絵と結びつくことで相乗的な表現効果を発揮し、勅撰集や私家集など書物に残されて現在まで伝わる。屏風歌・障子歌とはいったい何だったのか―。その発生から隆盛、衰退を経て十二世紀後半に社会情勢の変化とともに復活する様相を、歌と権力の視点から描く。

目次

第1章 屏風歌の誕生
第2章 屏風歌の開拓者―貫之の屏風歌
第3章 名所障子歌の出現―為光家障子歌
第4章 和歌と漢詩のコラボレーション―粟田山荘障子絵詩歌
第5章 道長が屏風歌で試みたこと―彰子入内屏風和歌
第6章 歌絵の時代
第7章 天皇の御代を言祝ぐ―大嘗会屏風和歌
第8章 屏風歌の復活―俊成九十賀屏風和歌
第9章 後鳥羽院の“幻想の王国”―最勝四天王院障子和歌
第10章 花鳥画と歌の邂逅―定家詠花鳥和歌

著者等紹介

渡邉裕美子[ワタナベユミコ]
1961年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得中退。文学博士。専門は中世和歌文学。早稲田大学・宇都宮大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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chisarunn

5
10世紀から11世紀後半、それなりに平和な平安の御代である。代表的なのは藤原道長の娘彰子が入内するとき、和歌を添えた大和絵の屏風が制作された。嫁入り道具である。和歌は当時の一流の作者に依頼された。財力がないとできないことである。つまり屏風は権力を示すわかりやすいメディアだったのだ。ということでそれらの屏風に取り上げられた和歌と権力のありようについての本なのだが、ちょっと自分の手には余った。特に間に漢詩が入ってくると苦しい。先日に引き続いて同じところで躓いてしまったのが悔しい。2021/07/23

とーあ

1
願わくば実物を見てみたい。2017/07/23

Ayako Moroi

0
専門歌人の屏風歌について概要を学ぶために読んだ。大学での講義がもとになっているとのことで、初学者に向けての、わかりやすく屏風歌の特徴と、その時代的変遷を知ることができる本。おそらく同時期の西洋では、未だ自然を描く絵画はないはず。屏風歌の研究から、当時の大和絵について研究が進めば、自然を描いた絵画として、世界的にも興味深い事例となるのではないだろうか。2017/06/23

渓流

0
「歌が権力の象徴になるとき」というタイトルに惹かれ、政治社会学的観点からの記述を期待して読み始めたが、副題の屏風歌・障子歌の世界が示唆する如く文学史の本、全くの興味の対象外で、短時間の斜斜読にて終了。2011/07/25

wasuregai

0
最勝四天王院の障子和歌を目当てに読んでみたのだが、寝殿造の建物や建具についての概略、あるいは最勝四天王院以前の貫之の屏風歌や彰子入内屏風和歌からの屏風歌・障子歌の歴史に触れられているので、逆に後鳥羽院の〈幻想の王国〉の姿をより鮮明に浮かび上がっていた気がする。しかし、この最勝四天王院の障子絵和歌は現存していて欲しかったなぁ・・・・・。2011/02/17

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