内容説明
酒井忠挙(一六四八―一七二〇)。第四代将軍徳川家綱の大老、酒井忠清の嫡男として生まれた彼は、何事もなければ父親と同じように幕府の要職についたであろう人物である。しかし、当主となって間もなく、大きな挫折を味わうことになる。同じ時期に忠挙と反対に栄光への道を歩みはじめた柳沢吉保との因縁、一門の長として家の存続に奔走する日々―。忠挙の行動とその思いまでがわかる史料「御老中方窺之留」から、徳川幕府における大名たちの実像が浮かび上がってくる。
目次
第1章 徳川綱吉政権と酒井忠挙(酒井忠挙の栄光と挫折;酒井忠挙と柳沢吉保;酒井忠挙の「大留守居」就任)
第2章 酒井家一門の長として(嫁の実家の御家騒動―小笠原長胤の不行跡;弟酒井忠寛の死とその後;姉小路家をめぐる人々)
第3章 綱吉から吉宗政権へ(酒井雅楽頭家の御曹司をめぐって;酒井忠挙、綱吉政治に物申す)
著者等紹介
福留真紀[フクトメマキ]
1973年、東京都生まれ。97年、東京女子大学文理学部史学科卒業。99年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程修了。同研究科博士後期課程在学中に、日本学術振興会特別研究員(DC2)。2003年、同研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、聖徳大学兼任講師、東京女子大学非常勤講師、東京大学史料編纂所特任研究員などを経て、長崎大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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