内容説明
江戸幕府が公認した交易地のひとつ、長崎の出島。かつてオランダ人たちは、自由を奪われた「監獄」だと出島生活を嘆いたという。いま日蘭交流四百年を記念して出島を完全に復原する事業が進められている。この建造物の復原検討によって、従来不明であった生活の実態が建造物と結び付いて鮮明に見えてきた。オランダ商人の生活や出島に出入りした役人・町人・遊女の姿から江戸と長崎を結ぶ長崎街道と定宿まで、出島が江戸時代にもっていた役割や意義を、建造物という新たな視点から解き明かす。
目次
序章 再現されつつある出島
第1章 商館時代の出島
第2章 交易拠点としての出島
第3章 出島の生活
第4章 出島の出来事
第5章 出島とその建物
第6章 出島を訪れた人々
第7章 商館長の江戸参府
第8章 出島の模型と大工道具