出版社内容情報
「……あの子には、拾ってくれる人がちゃんといたんだね」
高校二年生の温泉川理玖と、他校の有名な美少女・速水珠宇。
縁もゆかりもなかった二人は、一匹の捨て猫を通じて雨の公園で出会うことに。
空の段ボールの前、ずぶ濡れでしゃがむ彼女の姿は、なんだか二匹目の捨て猫のようで──
見かねて珠宇にシャワーを貸した理玖。普段は猫を被っている彼女は、理玖にだけ懐いたのか、理玖の自室に居座ったり、自分の物を置いていったり。
巻き込むことを恐れる理玖と、頼ることを恐れる珠宇。二人は二人だけの関係を探り始める。
これは一人でも生きていける系男女が、それでも一緒にいる理由を探す日常小説。
【目次】