ＭＦ文庫Ｊ ステラ・ステップ

林 星悟【著】

ＫＡＤＯＫＡＷＡ（2023/01発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 296p／高さ 15cm
• 商品コード 9784046821102
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

突如飛来した隕石により地上は荒廃。人々は新しい国家を建て、闘争や略奪を繰り返していた。
国家間の戦争の手段として「暴力」と置き換えられたのが、少女たち「アイドル」だ。
砂漠で覆われた「砂の国」に、国民からは崇められ、少女たちからは恐れられているアイドルがいる。
技術を高めることだけに関心を持ち、感情はどこかに置いてきてしまったかのような少女・レイン。
最強を誇る彼女の無敗記録はずっと続くはずだった。
だが、感情豊かに歌う少女・ハナによってその記録は止められる。
このハナとの出会いは、レインの胸にこれまで知らなかった感情を芽生えさせ――。

色のない世界で生まれた、少女たちの愛と絆の物語。

内容説明

少女たちが強いられたのは“道具”として、ただ歌うこと。突如飛来した隕石により地上は荒廃。人々は新しい国家を建て、闘争や略奪を繰り返していた。国家間の戦争の手段として「暴力」と置き換えられたのが、少女たち「アイドル」だ。砂漠で覆われた「砂の国」に、国民からは崇められ、少女たちからは恐れられているアイドルがいる。技術を高めることだけに関心を持ち、感情はどこかに置いてきてしまったかのような少女・レイン。最強を誇る彼女の無敗記録はずっと続くはずだった。だが、感情豊かに歌う少女・ハナによってその記録は止められる。このハナとの出会いは、レインの胸にこれまで知らなかった感情を芽生えさせ―。色のない世界で生まれた、少女たちの愛と絆の物語。

著者等紹介

林星悟［ハヤシショウゴ］
第１４回ＭＦ文庫Ｊ新人賞最優秀賞作「人形剣士“ドールブレイブ”は絶ち切れない」にてデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

隕石により荒廃し、国家間の戦争の手段として「アイドル」が戦う近未来。技術を追求し続けて感情を失いかけていた最強のアイドル・レインが、感情豊かに歌う少女ハナと出会う愛と絆の物語。無敗記録を続けるアイドルとして国民からは崇められながら、プロデューサーから活動停止を宣告された理由。愛されるアイドルを目指すハナとの出会いをきっかけに知ってゆく、勝てないアイドルの非情な現実、少しずつ取り戻してゆく感情。とはいえ事態はそう簡単に好転するわけもなくて、衝撃の事実も突きつけられて、ここからどう未来を変えるのか続巻に期待。

2023/01/24

[わたー]

★★★★★隕石の衝突によって荒廃し、国家間の戦争の代わりにアイドルたちのライブの勝敗によって資源を奪い合う世界。「砂の国」最強のアイドルであるレインが、とうの昔に絶えたはずの笑顔で愛と夢と希望を歌う新人アイドルのハナと出会うことから始まる物語。ポストアポカリプス世界で歌とダンスによる代理戦争、アイドルたちは名前すらも奪われて兵器として運用されるという、序盤からのハードな設定でガッツリ心をつかまれた。まさかそこから二重三重にハードな要素が上乗せされるとか誰が想像できただろうか。

2023/01/26

[和尚]

前評判通りとても良かったです。資源のため、アイドルがただ歌い踊り勝つことを求められた世界。 そんな中で完璧なアイドルのレインと、誰かの為に歌い踊るアイドルを目指すハナが出会い、少しずつ明かされていく過去と世界観。 重たくて悲しい理由。でも、何よりもそんな世界がおかしいんだと言う言葉と共に立ち上がり。終盤盛り上がりの後の、「え？」という展開にもう驚きです。面白かったです！ 次が読みたいですね。

2023/12/31

[緋莢]

隕石により荒廃した世界。その隕石片から、「人の感情に反応してエネルギーを発する」未確認物質が発見され、〝共心石（シンパシウム）”と名付けられる。そして、隕石災害直後に人々の希望だった〝アイドル”がいつの間にか、国家間の争いに使われるようになった。そんな中、無敗記録を持つアイドル・レインはある日、一人の少女・ハナと出会い…『SFマガジン』のブックレビューで取り上げられており、興味を惹かれて手に取りました。国を代表したアイドルのパフォーマンスを、人型をした共心石の反応によって勝敗を決めるというもので（続く

2023/11/05

[冬野]

良い意味で思ってたのと違った。あらすじや表紙から想像できないほどハードなポストアポカリプス+ディストピアSFだし、展開が登場人物にあまりに厳しい。兵器としてのアイドル、という存在を甘く見ていた…。完璧な機械のようなレインが、笑顔を絶やさないハナに影響を受ける過程が良くて…そう、とても良いのだ(これが後から効いてくる)。並の作品ならグッドエンドで締めるところからさらに二波乱ほどあって虫の息になった。ぜひ可愛い絵に軽率に釣られてのたうち回ってほしい。一緒に苦しみましょう。地味にプロデューサーが好き。星:5/5

2023/03/07