出版社内容情報
「狭苦しいこの世界で
人形のままでいられたら
どれほど楽だったろう
言葉を 炎を 魂を持った私たちは
もうこの道以外は選べない
私が私であるために」
Twitterで人気の作家・ツルリンゴスターが、WEBメディア『DRESS』に連載した人気創作漫画に描き下ろしを加え、434Pの大ボリュームで書籍化！
私の心を閉じ込めていたのは”無自覚の私”――夫婦のすれ違い、男女の恋愛に違和感を持つ女子高生、60歳からの新しい恋、男子高校生のメイクなど「常識」から外れてしまうから、大切な人をこれ以上傷つけないために私が我慢すれば…と、自分の気持ちに蓋をしてきた主人公たち。そこへ、人間の心に灯る“火”を食べて生きる妖怪・焔（ほむら）が突然現れては、心の中に灯る小さな火を見つけ、変化を生み出していく８つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
41
友人から薦められて。古い考え方、価値観が人を苦しめる。夫婦の関係、男子学生のメイク、男女の恋愛、女性の昇進、孤独、親子の関係、結婚、大人の恋、いろいろな場面で人は苦しんでいる。皆心に蓋をしている。自分を責めてしまう。人はもっと相手が何を考えているのか、価値観を認めてあげればこの世の中は生き易くなるのに。難しいテーマに踏み込んだなと思うと同時に、こういう人たちが世の中に溢れていることをもっと自分たちは知るべきだと改めて感じた。とても良書だと思う。もっと多くの人がこの本、この世界に触れてほしいと心より願う。2022/06/26
ブラフ
14
ツルリンゴスターさん初読。漫画で400頁超って、完全版とか以外では初めてかも^^; 毎回主人公が代わり、夫婦、友達、仕事、親子、、、ジェンダーを様々な形で描いていく連作短編集。特に第1話とそれと対になる第5話はとても考えさせられた。「夫婦」という関係。そこでの「搾取」の形。自分でも気がついていなかった。もしかしたら自分も、夫側と同じ考え方を自然にしてたかもしれない。でも、そんな風にパートナーを扱うのは嫌だと思うし、したくない。読者の社会的立ち位置によって、様々な気付きを与えてくれる良作。2022/07/10
まはな
12
【kindle】私たちの世代は、古い人間と新しい人間の端境期にいろんな認識を植え付けていったので、これはおかしいと思うこともそういうものだと思うことにもなにかいずい気持ちで生きてきたと思う。 こういう気持ちを言葉で表現できないので慣れてる言葉として「いずい」という言葉をつかったのだけど、この「いずい」感じを絵にして言葉にしたのがこの本だと思う。 もっと言いたい感想はある、文字が足りない。 WEB連載時に更新を本当に楽しみにしてたので1冊になってうれしい。 2022/05/31
ちいこ
11
WEBで連載されたものをまとめられたもの。もう心がぞわぞわしてしまった。絶対友達に読んでもらいたい、とソワソワしました。2022/05/27
harutamano
8
身にしみて泣けてきて一話づつ読んだ。心に火がついたら、もうそのままではいられない。だけど苦しい。焔の絶望に叫ぶラストがまた火を灯す。いま、今読んでほしい。2023/04/29
