出版社内容情報
宮田 ナノ[ミヤタ ナノ]
著・文・その他
内容説明
文章上の味覚体験は、時に本物の味覚体験を沈黙させてしまうほどの力を持つのです―。本の中に登場する食べものと作家たちとの関係をユーモアあふれる筆致で描きだした名作レビュー&エッセイ。
目次
第1話 森茉莉といただく“シュウクリイム”
第2話 内田百〓といただく“おかうこ”
第3話 村上春樹さんといただく“オムレツ”
第4話 黒髪の乙女といただく“お酒”
第5話 石井好子といただく“失敗料理”
第6話 ナルニア国でいただく“プリン”
第7話 角田光代さんといただく“苦手だった食べもの”
第8話 堀井和子さんといただく“ブレックファースト”
第9話 平松洋子さんといただく“果物”
第10話 水上勉といただく“梅干”
著者等紹介
宮田ナノ[ミヤタナノ]
1995年群馬生まれ。イラストレーター。2020年に「日々郷愁」にて第10回新コミックエッセイプチ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
126
面白かったです!石井好子さんのカレイを煮すぎて骨だけにしちゃった失敗談、堀井和子さんの素晴らしいけど真似しようとするととてつもなくその道のりは険しい朝食の話、その他にも森茉莉さんのシュウクリイム、村上春樹さんのオムレツ…どれも楽しく読みました。楽しいだけじゃなくて文学への愛もビシビシ伝わってきます。関連する本もたくさん紹介されてるのでそちらにも興味津々。かわいくてゆるーいタッチの絵も魅力的。読んで美味しい一冊でした。2022/10/11
J D
75
図書館でたまたま出会った本。当たりだった。自分の引きの強さが恐ろしい(笑)。本や作家、そこに描かれる食べ物への愛に溢れた一冊。後半の「日々郷愁」は、心が解放されて温かい気持ちになった。私が出会った本の中の食べ物で食欲を掻き立てられたのは真保裕一「テロリストのバラソル」のホットドック。あれは、食べてみたい。あと、曽野綾子「太郎物語(大学編)」のたいやき。ちばてつや「あしたのジョー」乾物屋ののりちゃんがジョーのために作ったトマトのサンドイッチ。この本楽しかった。内田百閒も読んでみよう。これオススメです。2024/08/07
ホッパー
64
食べ物に関する本を紹介するコミックエッセイ。ゆるい展開と絵柄が好き。読んでみたくなる本も沢山あった。2022/10/23
ぶんこ
60
小説の中に出てくる料理は、なんて魅力的なことでしょう。宮田さんの本で紹介されている本は殆ど読んでいたのですが、食べ物としては平松洋子さんのサンドイッチだけ覚えていました。角田光代さんの苦手な食べ物の克服法は目がテン。30歳過ぎて、自ら克服しようと毎日食べたとは、私にはできない。チーズは石鹸に思えた幼い頃から、今はチーズはチーズと思えるものの、いまだに苦手。食べ物とは離れますが「ナルニア国物語」は読んだことがないのですが、「巨人ごろごろ八郎太」と訳した名前に私も胸が熱くなり、読みたくなりました。2023/06/20
たまご
44
文豪から,現代の作家まで,作品のなかにつづられる食に関する部分を取り上げてコミックエッセイにしています.取り上げた一つ一つの作品に愛を感じる,素敵なエッセイでした.とびぬけて,森茉莉のキャラが立っている… そして内田百閒がよく出てくるのが不思議だけどよくわかるような気がしました.続きが出るといいなー,素敵な企画です!2023/09/15