出版社内容情報
新卒で入った会社の人間関係に悩み、
ある日「たった一杯だけ」と出勤前に手を出したカルーアミルク。
その一杯から、地獄が始まった……。
「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでの出勤が常習化し、
転がり落ちるように依存症の沼にハマっていく著者の体験と
そこから努力をして這い上がっていく様を描いた手に汗握るコミックエッセイ。
アルコール依存症と聞いて一般的にイメージされるのは、
大量飲酒、悪化していく肝臓の数値、黄色くむくんだ顔…。
けれど本作の著者・かどなしまるさんはむしろ酒には弱く、
酒量のリミットはストロングゼロ(350ml缶)たったの3本だけ。
アルコール依存症は酒量ではないという衝撃の事実と共に、
誰でも陥る可能性のある依存症の怖さと
そこから自力で這い上がっていく自己再生のストーリーを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
50
【出勤前のたった一杯のカルーアミルクが――】 “真面目で大人しく堅く過緊張”なOLがアルコール依存症になった実体験をマンガで描く。強く共鳴した。「あとがき」で、<自分が嫌で、どうにかしたいと強く望みました。心に保護膜を張りたい…道化にでもなってスルー力を得たいと願い、それを叶えてくれるのが「お酒」なのだと、社会が地獄のようにつらく感じていたある朝、気付いたのです。お酒で晴れやかになった気持ちのまま出勤した時、「ああ、こんなにも心強いお酒があればやっていける」と世界が少し広がったように思い、安堵した>と。⇒2025/03/09
かんやん
27
著者の実体験を基にしたコミック・エッセイ。職場の人間関係のストレスから、出社前に飲酒するようになり、依存症に。どうやら社会人になる前から、対人恐怖や過緊張があったようだから、楽しむためではなく、逃避のためのアルコールだったわけだ。小田嶋隆さんだったか、アル中になるのに理由はいらないと書いていたけど、やっぱり何かキッカケがある場合もあるし、依存症になりやすい体質もあるのだろう。結局、酒を断つことができていないのだから、感想には批判も少なくないみたいだけど、そもそもの原因のストレスがなくなれば、大丈夫なのか。2023/06/22
くさてる
23
他の方の感想にもあるように、私も冒頭の「仕事終わりの発泡酒を楽しみにしてます」というあたりで驚いた。アルコール依存症から脱した人の話だと思ったのだけど、治療は途中で中断して(減酒といいつつ)まだ酒を飲んでいる。依存症になった過程はとても生々しく、同じ状況になりかねない人にとって、大事な内容だと思うだけに、それでいいのかな、と。こういう依存症や病気に関する本は読みやすく手に取りやすいエッセイコミックだからこそ、専門家の監修があってしかるべきだとも思うのだけど、それもない。ちょっと危うい本だと思います。2022/10/09
みなみ
9
アンリミで読了。アルコール依存症になったOLの漫画。以前WEBで一部掲載されていたのを読んでおり、アンリミに入ったので全部読んでみた。依存症とは否認の病とは本当だと感じる。そして、彼女のお酒の飲み方が載っているのだが、これが全然「(私の知る)このお酒を好きな人」のお酒の飲み方楽しみ方ではなかったのが衝撃だった。そりゃ、楽しんで飲んでるわけではないから当たり前だけど。2024/10/14
カッパ
8
なんでお酒に溺れたのか。などを見つめていた。でも中々認めてない。上手く付き合えてるとはいえ、まだ飲んでるのは大丈夫なのかな?と思った。わたしは飲まないようにしてますが、それでも飲みたくなる。双子の関係性は羨ましくもなります。2024/10/06