内容説明
一本の傘がつなぐ、はじまりの物語。ある雨の日、壊れたビニール傘を手にコンビニの軒先で立ち往生していると―(『はじまりを告げる音』)。ある日郵便ポストを開いたら、そこには生きてしゃべる生首がいた。その日から無駄に爽やかなイケメン生首との奇妙な同居生活が始まっていた(『ちょっと身体と喧嘩しまして』)。現実から逃げて来た少年が訪れた、幼い頃の思い出が詰まった水族館。その最奥の大水槽には“幻想的な青”を泳ぐ人魚がいた(『アクアリウムマーメイド』)。ある日、楽器店の店頭に貼られたポスターを見た青年は、意を決して店内へと足を踏み入れる。たった一つの思いを胸に秘めて…(『ひと夏のソプラノを、君と』)。私の初恋は、芽生えたときすでに失恋でした。そして、このくすぶる思いはいつまでも心の中に残っているはずだった(『花火はどこへ消えたのでしょう』)。彼女と会おうと思ったきっかけは―「ミスマッチング率100%」というAIからの忠告。果たして、人の心はAIで測れるものなのだろうか?(『君との恋愛に占める相性の割合』)。凛とした佇まい、大人な気づかい…入学式で見かけた先輩に私は恋をしました。そして、速攻で彼のアカウントをフォローしにいきました!(『恋に落ちた私は、彼のフォロワーになった』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
23
雨の日に傘を間違えられて困ってしまった子、郵便ポストを開いたらイケメンの生首発見!、水族館で人魚に恋した男の子、相性が悪いと分かっていたのに付き合った彼女とのこと、どの物語も「若いっていいなぁ!」ってものばかりです。自分にはこんな恋なんてムリって思ってたとしたら、それは誤解よ。思い違いよ。って力説しちゃう!最初の一歩って、みんなドキドキなんだから。後になってみればバカみたいだけど、その時はそれが精一杯!それでいいのだ!2021/06/15
なみ
12
ちょっとかわった恋のはじまりを描いた恋愛もののアンソロジー。 全部すごかった。 生首と同居する『ちょっと身体と喧嘩しまして』、繊細な文章が素敵な『ひと夏のソプラノを、君と』、タイトルが最高すぎる『花火はどこへ消えたのでしょう』、現代ならではの恋愛模様を描いた少女漫画チックな『恋に落ちた私は、彼のフォロワーになった』が特に好きです。2021/03/22
かける
3
確かに全話ちょっとかわった恋のはじまり。傘とSNSの話が好きだな。インパクト強かったのは生首、まさかの首なしさんがいるとは。2023/08/12
豆
0
1話目は良かったのに、2話目以降読むのしんどい...かなり痛めで私は最後まで読めなかった。。2023/07/17