出版社内容情報
小さな息子を連れて、新しい街に引っ越してきた希(のぞみ)。
隣に住む「理想的な家庭」の主婦、千夏(ちか)と家族ぐるみで仲良くなるが、
じわじわと千夏への違和感を感じていく。
おかしいのは私のほう?それとも千夏のほう?
幸せな家族に見えても、心の黒い穴は埋められない。
『消えたママ友』『今朝もあの子の夢を見た』『人生最大の失敗』を描いた
イヤミス・コミックエッセイの第一人者、野原広子最新作、
雑誌レタスクラブ連載に加え描き下ろし64ページオールカラーで構成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
62
【あの方、とても良い方よ】さすが、イヤミス・コミックエッセイの第一人者! ざわざわが止まらない。保育園児の息子・ケンちゃんを連れ新しい街に引っ越してきた希は、シングルママらしい。隣家に住むモモちゃんのママ・千夏と仲良くなるが、彼女は完璧主義者で……。アパート2階に入居し、ケンちゃんが玄関外で蛙を見つけ、「ここに住んでいるのかな?よろしくねカエルくん」と言ったり、置いたばかりで、まだ何も入っていない冷蔵庫を開け、「このれいぞうこは、あけっぱなしでもピーピーいわない、いいれいぞうこだね」など言うシーンが絶妙。2023/12/09
ニッポニア
55
しっかりと面白く、不穏です。結局悪い人なんて、誰もいなくて、みんながみんな自分の欲望や願望に傾いただけなのに、という現実をよく表現しています。野原さん、確固たる地位をしっかりと築いています。この運命の風に抗えるものがいるのだろうか、いや、いない。2023/09/09
読特
43
夫のモラハラに耐えられず、息子を連れて一人暮らしを始める妻。娘のしつけを厳しく徹底し過ぎて、夫に敬遠される女性。2人は隣人同士。子供たちが仲良くなる。それぞれの家庭の事情を知らされる。互いに干渉しあう。大きなお世話が事態を動かす。…生まれながらに完璧な人間などいない。入学、卒業、就職、結婚、出産、子育て。ステージが変わる度に初心者になる。実子連れ去りと教育虐待。知らないことの罪。赤の他人と影響し合って学ばねればならぬこともある。イヤミス作品。一山あって事は解決か、と思わせて伏線が示唆される。2025/05/17
ころこ
40
引っ越してきたケンちゃんとお隣のモモちゃんは、共におねしょをする理由がある。おねしょはそれぞれの母親から不安が転移してきた。その、謎が解かれていく。初めはモモちゃん家の謎であり、ケンちゃんの母であり主人公の希の視点で描かれる。が、次第に希も離婚で問題を抱えており、視点が相対的だったことが読者にも分かってくる。この視点の揺れが作者の一連の作品の醍醐味だ。正しさ。希からも、モモの母・千夏からもこの正しさが聞こえてくる。各々の正しさの衝突から問題が引き起こされる。それぞれの正しさを持たなければならないのは、身に2024/12/31
読書のーと
38
モラハラ夫から逃げ出して、幼い息子と2人で暮らすことを決めた主人公・小出希。 新しく引っ越した先のお隣さんの主婦・長谷川千夏と息子と同い年のその娘と仲良しに。 しかし、真夜中に泣き声が聞こえてきたり、徐々にお隣さんに違和感を覚えていくー。 確かに隣近所にどんな人が住んでいるのか意外と知らないし、仲良くなったらなったで、良好な関係性を保つのも大変だと思う💦 漫画になっているから読みやすいけど、ストーリーとしては普通かなぁ…💦 それにしても、最後に出てくるよっちゃんママ怖い…😱 階下に住むおばさんも…うーん😅2023/09/05
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