内容説明
私たちは再び、戦争を選ぶのか?戦後70年―。骨太で柔軟なリベラリズムの視点で昭和史を描きなおし、「岐路」に立つ日本社会へ警鐘を鳴らす。
目次
序章 疑念を持って歴史を見つける視点―もうこれ以上だまされてはいけない
第1章 銀行を潰したのは誰だ?―昭和恐慌はなぜ起きたのか
第2章 なぜ軍国主義に染まっていったのか―苛烈化する思想
第3章 なぜ「世界の孤児」へと暴走したのか―満州事変から国際連盟脱退にいたる道
第4章 時流に媚びない人たち―彼らはどう異を唱えたのか
第5章 戦争協力と戦争責任を考える―日本的な同調型思考停止社会のワナ
第6章 つくられた終戦記念日―本当の終戦はいつだったのか
第7章 戦後を牽引したニッポンの会社の裏側―サラリーマンはなぜ「社畜」化したのか
第8章 労働組合は何をしてきたか―なぜか嫌われる理由と本来の意義
第9章 社会党はなぜダメになったのか―リベラル勢力の凋落に思うこと
第10章 創価学会はなぜ現代のタブーになったのか―政教分離を瓦解させたモンスターの正体
終章 組織・社会とどう関わっていくか―「個」を殺されずに生きるために
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年、山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教員、経済誌編集長を経て、現在、ノンフィクション作家、評論家として活躍中。「憲法行脚の会」呼びかけ人の一人。『週刊金曜日』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
41
図書館本。「もうこれ以上(国に)だまされ続けてはいけない。だまされないようにするための視点を身につけよう。そのために過去の出来事を振り返ってみようじゃないか」という思いで書かれた本。今の日本は安倍一強体制のもと戦前と驚くほど似た状況になっている。集団的自衛権で日本は戦争できる国になり、核武装まで目論んでいる。自民党の憲法改正草案では天皇が元首になっており、自衛隊は国民軍へと変貌している。しかし国民は安倍一強体制に疑問を持つことなく、憲法改正にも肯定的な意見が多い。騙されている。騙される責任を考えよ。2019/11/13
matsu04
8
このところあまり元気の感じられない左翼陣営にあって数少ない元気者の佐高が昭和を振り返っている。労組や社会党についての考察、共産・公明両党批判など興味深い文章もある。2015/03/06
hr
4
登場する人物の数が尋常じゃない。テーマは多岐に渡る。銀行、軍国主義への流れ、連盟脱退、戦争に異を唱えた人々、一人ひとりの戦争責任、「終戦」という言葉のあやふやさ、「社畜」化について、労働組合、社会党、創価学会、などなど。毎日の若者との関わり方を見直したくなった。2015/12/20
ぽてち
3
国内史、特に昭和史を知ることの意義は?と問われたら即、「自分で考える為の力を養う為。」と答える。それだけ、近代史が我々に残した教訓は大きいと思う。その「事実」をわかり易く伝えているのが本書。如何に自分達の世界が「与えられた」ものなのか、それが如何に欺瞞に満ちたものなのかを痛感する。それでも前を向いていけるのは無骨でも不器用でも筋を通す、損得を考えず邁進した先人の存在だ。日本人でこういう方々もおられた、という存在を通して個人はどうあるべきなのか?は個々によって違う。そこを「考える」契機にさせてくれる良書。2015/11/15
モリケン
3
久々に1冊読み終えた。推薦されたので読書。平成生まれの自分には昭和の歴史(特に日本史)に全く知識がないのでいい勉強になった。韓国の徴兵制問題や創価学会の存在など自分の身の回りに関係する内容も多く親近感があった。2015/04/02