遠野物語remix

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046532770
  • NDC分類 382.122
  • Cコード C0093

出版社内容情報

柳田國男の代表作『遠野物語』を京極夏彦がリミックス。ふと顔をのぞかせる異界を、静かな筆致で描く。山の中で高笑いする女、赤い顔の河童、ふと見上げた天井にひたと張り付く人……冷たい恐怖が背筋を這い上がる。

内容説明

人の住まぬ荒地には、夜どこからともなく現れた女のけたたましい笑い声が響き渡るという。川岸の砂地では、河童の足跡を見ることは決して珍しいことではない。遠野の河童の面は真っ赤である。ある家では、天井に見知らぬ男がぴたりと張り付いていたそうだ。家人に触れんばかりに近づいてきたという。遠野の郷に、いにしえより伝えられし怪異の数々。民俗学の父・柳田國男が著した『遠野物語』を京極夏彦が深く読み解き、新たに結ぶ―いまだかつてない新釈“遠野物語”。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

184
手持ちの『遠野物語』と照らし合わせながら読了。意味が解るという事は何と嬉しきことか。例えば原文(四十五)では「猿の経立はよく人に似て〜」としか記されていない。京極さんは「歳を経た動物は、様々に怪しい行いをする。それを経立(ふったち)と呼ぶ」と注釈を入れてくれている。私の持つ『遠野物語』は昭和61年の角川文庫版。表紙は白馬の背に乗り疾走する白装束の乙女。原文(六十九)の馬と夫婦となり、怒った父親の振るった斧で斬り落とされた馬の首に取り縋り、天に昇り去った娘‐オシラサマの成り立ちの物語を表紙としたものだろう→2013/09/15

tama

170
図書館本 遠野物語のオリジナルは何度か手に取ったりパラパラ飛ばし読みしながら結局最後まで読めなかった。旧仮名遣いとか話の配置とかがそうさせていたんだなと思った。表紙の裏が地図になってて、一話ごとに地名を探してしまう。遠野物語を読ませるようにした、いい本だと思う。勿論読了。2013/07/22

藤月はな(灯れ松明の火)

115
京極氏が現代語で翻訳した『遠野物語』。天井に無表情にべたりと張り付く人らしきモノは『いるの、いないの』を思い出してぞっとしました。人が入れるはずもない隙間にいるモノや通れるはずもない道を通ってきたモノの話など、説明がつかないような話もあれば座敷童による経済の移り変わりや狐や蛇という予兆との関連性など、現在の民俗学にも通じるような話もあります。後者は民俗学と照らし合わせてみると中々、興味深いかも。原本や元ネタの提供者である佐々木喜善(鏡石)氏が本当の遠野物語として出版した『遠野異聞』と読み比べてみたいです。2013/08/18

mocha

109
『遠野物語』を京極氏が口語訳、話の順番を整えるなどしたremix版。とても読みやすく、似た話はまとめてあるので頭に入りやすい。なおかつ、元の雰囲気を損ねていないところが良い。柳田版はずっと前に読んで、古い文体に四苦八苦した覚えがある。遠野は特別な地だというイメージがあったが、実は日本各地にこういった話がたくさんあるのだろう。怖いというよりも懐かしく感じた。2015/10/04

Tanaka9999

102
「遠野物語拾遺retold」の後から読んだが、こちらの方は怪異譚の方が多く、習俗の話は少ない。習俗も興味があるが、怪異譚のおもしろさは抜群だと思う。2018/12/14

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