句集 龍宮

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046527721
  • NDC分類 911.368
  • Cコード C0092

出版社内容情報

岩手県釜石市在住の著者は、高校教師として勤務するなか東日本大震災に遭遇。眼前に拡がる極限状況を17文字に託し、震災の貴重な証言を記した1冊として話題を呼んでいる。作家池澤夏樹氏、伊集院静氏絶賛。

内容説明

春の星こんなに人が死んだのか。逢へるなら魂にでもなりたしよ。本年度、最後まで蛇笏賞を競った話題の震災句集。

目次

泥の花
冥宮
流離
雪錆
真夜の雛
月虹

著者等紹介

照井翠[テルイミドリ]
昭和37年岩手県花巻市生まれ。平成2年「寒雷」入会。以後、加藤楸邨に師事。「草笛」入会。平成5年「草笛」同人。平成8年「草笛新人賞」受賞。「寒雷」暖響会会員(同人)。平成13年「草笛賞」優秀賞受賞。平成14年「第20回現代俳句新人賞」(現代俳句協会)受賞。平成15年「遠野市教育文化特別奨励賞」(遠野市教育文化振興財団)受賞。現代俳句協会会員。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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澤水月

29
震災句集、絶望、闇に満ち季を経ても容易に癒えぬ凄惨さ。泥の底繭のごとくに嬰と母・気の狂(ふ)れし人笑いゐる春の橋・卒業す泉下にはいと返事して・ほととぎす最後は空があるお前・盆近しどれも亡骸無き葬儀・同じ日を刻める塔婆墓参・苧殼焚くゆるしてゆるしてゆるしてと・廃校の校歌に海を讃へけり・春の海髪一本も見つからぬ…震災の日の夜は闇が全て輝くほど星が多く、旅立つ魂のごとく流れ星も多かった…と東京新聞でのいとうせいこう対談で見て2016/03/07

びびとも@にゃんコミュVer2

7
図書館本。釜石で被災された著者の句集。鎮魂のための…と書かれているけれども、あまりにも凄絶で狂気さえ感じ、泣き叫んでいるような句集に思えた。泥の花の章が言葉にできないほど辛い。 三・一一神はいなゐかとても小さい が、心に残った。2014/06/12

sonettch

4
亡き娘らの真夜来て遊ぶ雛まつり2013/12/22

Cell 44

2
「泥の底繭のごとくに嬰と母」「双子なら同じ死顔桃の花」「春昼の冷蔵庫より黒き汁」「卒業す泉下にはいと返事して」「喉に当てし氷柱を握る力かな」2014/11/18

鎌倉 幸子

1
東日本大震災の時、著者は釜石で被災したそう。見たこと、聞いたこと、感じたことが句になっています。「言葉を失う」という言葉は本当にそうなるのだと知った2011年3月。でも心の闇を、外に出すためには、その状況を表現する言葉を自分の中で持っているか否かで、決まってくると感じました。絞り出すように、選ばれた言葉、一つひとつが折り重なり句になっています。どんな形であれ、表現する手段を持つことの大切さも改めて感じた一冊です。2017/08/15

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