内容説明
カメラ付き携帯とデジタルカメラが急速に普及する中で、写真とはいったい何かが問われている。若い女性Sさんと写真評論家のIさん。ふたりのおしゃべりを追ううち、あなたは知らず知らず写真の世界の魅力に引き込まれてゆく。大学で実際に使われているユニークな教科書『写真概論』の市販版。飯沢耕太郎、年来の構想を具現化。
目次
光の痕跡
移動するまなざし
瞬間を撮る
「顔」という謎
絵画か、写真か
社会へのメッセージ
モノ狂いの系譜
街に身をまかせて
鏡の中の世界
記憶の深みから
セルフポートレイトの秘密
写真と「デジグラフィ」
著者等紹介
飯沢耕太郎[イイザワコウタロウ]
写真評論家。1954年宮城県生まれ。84年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了、専攻は写真史・写真論。90年、季刊写真誌『デジャ=ヴュ』を創刊、94年まで編集長をつとめる。主な著書に『「芸術写真」とその時代』(筑摩書房、日本写真協会年度賞)、『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書、サントリー学芸賞)など多数。また、講師、公募展の審査など幅広い活動を展開している
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感想・レビュー
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OKKO (o▽n)v 終活中
3
大学教科書 ◆入学直後はこれで単位とる所存だったが、まもなく「写真は自分の領域でない」ことに気づいて断念。なのに仕事で写真史のレポートを急遽短期間で仕上げねばならなくなってあたしはインフェルノ……やっときゃよかった…… ◆対話形式なので読むだけなら電光石火だが、一つ一つが現代生活の隅々にどのようにしみちゃっているか考えてまとめるのに苦悩 ◆少なくとも、写真は「芸術先行、実はまんま日常生活に翻案されて移行」って構図で大衆に向けて語ってもあながちハズレではないな、というスジを見つけられたのでよしとしようか。2014/08/28
酒井ちゆき
0
芸ゼミ付け焼き刃一枚目。写真の起源から現代まで、その流れのさまざまな側面を対話形式でなぞってゆく。易しい筆致で読むのに体力はいらない。写真史や写真にまつわる思考をざっとつかむことができる。2012/04/14
lncr_ct9a
0
図書館で借りたんだけど、途中までしか読めなかった。対話形式って自分だめかも。2010/12/08
nobito
0
写真史を断片的に取り扱いながら「なぜそのような写真を撮ったか」という欲を主視点にして写真史、写真論を解説している本。昔の写真を見る時にはこうした視点の有無で見方の深みが大きく変わってくるので、その触りを提供してくれるという点で良書だと感じた。また本文は対話形式なので、テンポが良くサッと読めてしまうのも長所だと感じた。参考文献が付いているのも良かった。ただ対話相手のSさんに関しては「はじめに」で触れられている程の特筆感が感じられず、少なからずそこを期待して読んでいた私は拍子抜けしてしまいました。2024/08/23