内容説明
わが国の株式市場で近年、次第にその存在感が大きくなってきた「年金機関投資家」(=年金基金や年金資産を預かり運用する受託機関)。本書は「年金機関投資家」のコーポレート・ガバナンスへの関与の歴史的経緯を振り返りつつ、企業がこの大投資家といかに対峙していくかを明快に示唆。企業経営側および投資家側の実務家を中心として、誰もが関係する年金をテーマに採り上げた書として広く社会人に有用な1冊。
目次
第1章 年金はなぜ株式に投資してきたか―米国の歴史に見る株式投資の源流(米国年金における株式投資の萌芽と広がり;株式投資を通じて年金に投資収益がもたらされる背景を考える ほか)
第2章 わが国の年金の株式投資拡大と企業ガバナンスへの関与の背景(わが国の年金運用のウエイトが株式にシフトした背景;企業財務と年金運用 ほか)
第3章 わが国の年金の株主議決権行使を中心とした最近約十年の展開(「年金基金のコーポレート・ガバナンスに関する研究会報告書―議決権行使のための行動指針」(一九九八年)について
議決権行使の始まりとその頃の状況 ほか)
第4章 年金機関投資家が抱くわが国の株式投資に対する懸念と課題(岐路に立たされる年金の国内株式投資;年金の過去の運用実績と国内株式市場 ほか)
第5章 年金機関投資家が企業経営に望むこと―共栄に向けて(年金機関投資家の立場の再確認;「受託者」としての視点を持つこと―諸国民の「富」を扱う立場の再確認 ほか)
著者等紹介
村上正人[ムラカミマサト]
株式会社みずほ年金研究所専務理事。早稲田大学政治経済学部卒。みずほ信託銀行(旧安田信託銀行、第一勧業富士信託銀行)にて20年以上にわたり、年金資金等を中心とした資産運用業務に従事。年金運用部チーフポートフォリオマネジャー、投資研究部主任研究員、年金ALM室課長、運用本部副部長、パッシブクォンツ運用室長、執行役員運用企画部長などを歴任。2007年4月に信託銀行を退任し、現職に就任。現在、広く資産運用に関わる講演、執筆、啓蒙等の活動に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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