内容説明
アートはゲートである。対談、田島征三+はたよしこ。鼎談、奈良美智+高嶺格+保坂健二郎収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
47
改めて、人間というものの不可思議さを考える。一つのものへのこだわりと、そのエネルギーの密度が凄まじい。いわゆる一般受けするものではないと思うが、彼らから見た世界というものを想像する。アートいうものは、果てしなく広い世界ではないだろうか。2022/02/05
ジョニーウォーカー
22
日本のアウトサイダー・アートといってまず思い浮かぶのは山下清だが、彼の作品にはまだ芸術としての分かりやすさというか常識があるように思う。本書で紹介されている作家たちの作品は、そういった意味では真逆の存在であり、けして万人受けするものではない。B5用紙2000枚に描きためられた幾何学模様、記憶と空想の混在する架空の都市図…。そこには底知れぬ鬼気と、純粋な生気、見る者を押し黙らせる圧倒的な迫力がある。巻末で奈良美智が彼らへの憧れとコンプレックスについて語っているのもじつに興味深かった。読友推薦本(図書館本)。2010/11/03
魚京童!
8
これは恐いなあ。でも苦手だっていうのは、ある種のすごさを感じるから。認めていないわけじゃなくて、恐いんですね。その人間の本質が在るから。わりと情念的なもの感じて。2014/01/19
midnightbluesky
7
既存、普通、大多数とは何なのか?と考えさせられてしまう。彼らの作品は彼らから見た私たちの“一般”である。ひょっとしたら彼らから見ると私たちの言う“普通”というのはとても不思議なものなのかもしれない。2011/04/25
鷹図
7
アウトサイダー・アートといえば、かのヘンリー・ダーガーが有名だが、本書には日本のアウトサイダー・アートが、その制作者と共に多数収められている。これらに比べると、気鋭と「される」新進のアーティストたちの作品が、いかに奇をてらったものでしかないと思わされる。どれも本物の狂気、いや狂気という単純な言葉では表せない、表現に対する純粋な衝動を宿している。例えばアラビア文字のような文字群で埋め尽くされた日記帳。街で目にした企業名や外出の行程、使用した金額の仔細が、執拗に記されたカオス。しかしそれは(続く↓)2010/10/13