出版社内容情報
武士の名誉を守るには、努力・忍耐・実力行使!?
蒙古軍を追撃した竹崎季長の心中に迫る「大猛悪の人」。幕府勘定所の入人吟味に婿入りを賭けた男が、なぜか果し合いに巻き込まれる「文武両道」。千年にわたるサムライたちの悲喜こもごも描く、極上の短篇時代小説!
内容説明
サムライたるもの、侮りを受けては立ち行かず。生き残りと名誉をかけて、いざ尋常に―勝負!?ある時は忍耐、ある時は実力行使―。サムライたちに逃げ場はない!?奇妙な縁が見え隠れ!?千年にわたるサムライたちの奮闘劇。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。小説現代新人賞、歴史群像大賞を受賞後、2003年に『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞を受賞し、作家生活に入る。同年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞を、2008年には『清佑、ただいま在庄』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
49
歌舞伎「暫」の主人公鎌田権五郎の血を引くサラリーマン大庭真一郎から始まるサムライ千年の歴史を、幕末~江戸初期~戦国時代~鎌倉時代~平安時代へと辿っていく全8話の短編集。それぞれ独立した話ながらどれも“サムライもつらいよ”という切なさが漂う。そのなかで「文武両道」がよかった。2022/11/21
藤枝梅安
38
短編集。1編目が「暫」。歌舞伎と関係があるのかな、と思ったら、鎌倉権五郎の子孫が仕事でエジプトに派遣されるという現代もので岩井さんにしては珍しいな、と思った。が、その後はこの作者らしい下級武士や田舎の領主などの「泥臭い」戦いぶりとそれを叱咤激励する強妻たちが描かれている。いつの世も権力者や上司に振り回され、戦うサムライ達。それは千年経った今でも変わらないことを、筆者は軽妙な筆致で我々に語りかける。2012/08/27
ちょん
27
サムライが主人公の短編集。時代が遡る形で進む。どの時代のサムライも必死で生きている姿が目に焼きつく。とても読みやすくあっと言う間に読了。2015/12/19
ハッチ
22
★★★★☆サムライを題材にした短編集。笑えるのもあったし、武士の心意気を感じたのもあった。読みやすいのでお手軽。2015/10/06
himawa
21
岩井作品初読み。タイトル借りです。最初のお話でちょっとなるほどってなって、感動?して、どんどん遡ってく...すごく正統派なお話とか読めちゃうし。でも侍って何パーセントだったんだろう。多くの民のお話が読みたいって思っちゃうかも。2015/06/23