出版社内容情報
当時の女性には皆無であった法律家への道を志し、日本の法曹界で初めて女性の弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子。「五黄の寅年」の生まれで「トラママ」と称された不屈の女性の一生をたどる!
内容説明
「家庭裁判所は人間を扱う場所です」。固く閉ざされていた女性の法律家への道を進み、日本の法曹界で初の女性の弁護士・裁判所所長となった三淵嘉子。“狭き門”である高等試験司法科試験への挑戦、戦時中の疎開生活、最初の夫との死別など、数々の人生の試練を乗り越えた彼女の根底には人間への深い愛情があった―。非常に強い運を持つという「五黄の寅年」の生まれで「トラママ」と称された不屈の女性の一生をたどる!
目次
第1章 母たちの時代
第2章 「一流の花嫁切符」を捨てて
第3章 最難関の国家試験に挑戦
第4章 前途多難の船出
第5章 嘉子の覚醒
第6章 “天職”との出会い
第7章 夢中で走りつづけた人生
著者等紹介
青山誠[アオヤママコト]
大阪芸術大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばんだねいっぺい
33
急拵えなのだろうと思ってしまった。でも、三淵さんの人生の梗概を知るにはうってつけであった。スキーの場面は映像化したら痛快だろう。ドラマでなったのだろうか。一回、モラトリアムになっていればこそ、リアリティーがある。2024/07/20
鯖
18
今期朝ドラのモデルの三淵先生の生涯をざっと記した本。 著者が男性なので、まあまあ「名誉男性にしてやるからありがたく思え」的なアレを感じる記述が多い。「あくまで想像だが、婚期が遠のくと後悔がよぎったのではないだろうか」とかホント妄想だよなあ…。合格した年の問題が訴えの客観的併合とか既判力とか条約の成立とかで、戦前から法律って地続きなんだなあと思った。ご家族から「暴君」「主観的で自己中」と評されていた彼女が家裁では公平で素晴らしいと評されてたのも、仕事と家でガラっと変るのは男女問わずあるあるだよね。2024/05/11
ねこまんま LEVEL2
14
ぶれない芯の強さ,周りの色に溶け込まない生き方。本人の努力や信念さることながら周りの環境にも恵まれ伸び伸びと成長できたのではないか。やはり著名な方は尖った人が多い。なぜそうなのか探究する力が凄まじいのだろう。女性の力強さを感じることのできる一冊であった。2025/07/11
コニコ@共楽
14
朝ドラに魅せられて、実際の生涯を知りたくなりました。副題は”日本法曹界に女性活躍の道を開いた「トラママ」”とあります。表紙は明るい笑顔の嘉子さん。生まれがシンガポールで、進歩的な家庭環境と教育環境の中でのびのび育ったお嬢さんだったとは。ドラマでは弁護士のイメージでしかみていなかったのですが、実は当時は女性には裁判官への道が閉ざされていたのですね。少しずつ時代と共に嘉子のような女性によって活躍の門戸が開かれていったことがわかり、その努力と長い道のりに深い思いを持ちました。2024/05/04
Noribo
8
本屋でたまたま見かけて購入。「伊藤沙莉が法律家を演じる」くらいしか予備知識がなかったのですが、朝ドラのモデルになるだけの方と納得しました。まさに先駆者、でした。40数年前の時点で私は明治短大に法学科があることは知っていましたが、これは戦前の昭和8年の弁護士法改正により弁護士資格が「男子タルコト」から「成年タルコト」に改正されたことを受け、前身の明治大学専門部女子部が設置され女子の学ぶ場を作ったことが起源だそうです。2024/03/22