出版社内容情報
魔女はすべてを覚えている。
ひとの子がすべてを忘れても。どこか遠い空の彼方へ、魂が去って行こうとも。
そして地上で魔女たちは、懐かしい夢を見る。記憶を抱いて、生きてゆく。
その街は古い港町。
桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。
赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。
名前は、七竈・マリー・七瀬。
目指すは、ひとの子たちが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美しい魔女二コラのカフェバー。
懸命に生きて、死んでゆくひとの子と、長い時を生きる魔女たちの出会いと別れの物語。
―――
魔女たちの物語は、物語の形を借りた、わたし自身の想いであり、言葉でもあったのだろう、といまになって、気づいています。
何の力も持たず、歴史を変えられもしない、一本の糸に過ぎないわたしが、誰かのささやかな愛すべき日常に寄り添い祝福し、
不幸にして斃れたひとびとにさしのべたかった「腕」が、この物語だったのだろうと。
そう、わたしには魔法の力はなく、この物語もいつかは忘れ去られてゆくでしょう。
けれど、この物語にふれたどなたかが、ふと、これまで地上に生きてきた一本一本の糸に思いを馳せてくださるなら、
わたしの言葉はそのとき、魔法になるのだと思います。
村山早紀(「あとがき」より抜粋)
内容説明
魔女はすべてを覚えている。ひとの子がすべてを忘れても―。桜の花びらが舞う季節。古い港町に、若い魔女の娘が帰ってきた。赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。娘の名前は、七竈・マリー・七瀬。彼女が目指すのは、ひとの子たちが『魔女の家』と呼ぶ、銀髪の美しい魔女ニコラのカフェバーだった。懸命に生きて、そして死んでゆくひとの子と、長い時を生きる魔女たちの出会いと別れの物語。
著者等紹介
村山早紀[ムラヤマサキ]
1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で第15回毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。本屋大賞にノミネートされ話題となった『桜風堂ものがたり』『百貨の魔法』など、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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