出版社内容情報
幻想的で切なく静かな、どこまでも青い世界――。
私は、ある森の小さな家の実験室でポツンと一人研究者をやっている。
私が研究しているのは宇宙を作る実験だ。
そう、世の中を夜空や星々で溢れ返したい。
青の世界を広げたいのだ。
夢のある実験だが、もちろんそう簡単にはいかず、なかなか成功しない。
自分の無力さに途方に暮れる中、ある日ふと思い立って真夜中の街へ飛び出した。
ここはどこだ?
見知らぬ世界に迷い込んだ。
でもね、私には見えたんだ。やっと。
存在したんだ。私がつくった青の世界が。
今から君たちを夢の世界へご招待しよう。
内容説明
蝶もバラもスイーツも、全てが青い宇宙を宿していく―。描き下ろし40点以上収録!切なく静かで、それでいて安らぐ青のイラストレーターYas初作品集。
目次
第1章 孤独―切なく悲しい涙の色(夜空をつくる実験;月をつくる実験 ほか)
第2章 発見―凛として冴え渡る色(星を映す信号機;午前零時の星空 ほか)
第3章 信頼―安らいで落ち着く色(今は亡き人に繋がる公衆電話;真夜中の喫茶店 ほか)
第4章 永遠―どこまでもどこまでも果てしない色(天の川を宿した腕時計;0時00分の星空 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
202
この世界を青で染める実験をはじめたんだ。切なく悲しい涙の色「孤独」凛として冴え渡る色「発見」安らいで落ち着く色「信頼」どこまでも果てしない色「永遠」この4章で綴る。ある森に潜む小さな実験室の試験管を飛びまわる青い蝶がすべてを物語る。閃きの足りなさを哀しみ、広がる青に喜びあう。深海にゆっくりと沈んでも真夜中の月光に花ひらいても、自分の無力さを変えることはできないけれど、まだ知らぬ世界を生み出すことはできる。探そう。精神的な限界を越えて。空はいつも青いだろう。想像しよう。夜空をつたう蜘蛛も雨に濡れているから。2023/01/22
ままこ
76
神秘的で煌めく青の世界が広がる。宇宙や深海、四季をイメージした深く澄んだブルーのグラデーションが想像力を掻き立てる。ヒラヒラと美しい蝶々が道案内。お気に入りは深海に咲く花のティーカップ。2023/10/08
馨
71
書店で発見した本。すべての絵に惹き込まれ見入ってしまいました。青い世界。青い物。蝶。蜘蛛。きれい。癒やされます。青い食べ物って普通ならまずそうなのに、美味しそうに見える。夜空の星とか月とか、瓶詰めしたいな。2020/12/26
momogaga
60
青の世界がこんなに幻想的だったとは。興味を持った、青く輝く星をインクにしたボールペンをクラフト・エヴィング商會で扱ってほしいものです。2021/05/02
眠る山猫屋
58
青、蒼、碧。ブルーをモチーフにした作品集。深い海の底に、暗い夜空に、迷い込んだ蒼い迷宮に遊ぶ。2020/07/10