内容説明
新人商品プランナー・宮前久美が挑んだのは、「Appleにできて日本企業にできない壁」だった。彼女は日本が抱える課題―「高品質・多機能。でも低収益」から脱却できるのか?コトラーからブルーオーシャン、キャズム理論まで1冊でつかめる。
目次
1 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?―事業の定義
2 「お客さんの言いなりの商品」は売れない?―顧客絶対主義の落とし穴
3 顧客の要望に100%応えても0点―顧客満足のメカニズム
4 値引きの作法―マーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略
5 キシリトールガムがヒットした理由―バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
6 スキンケア商品を売り込まないエステサロン―競争優位に立つためのポジショニング
7 商品を自社で売る必要はない―チャネル戦略とWin‐Winの実現
8 100円のコーラを1000円で売る方法―値引きの怖さとバリューセリング
9 なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか―コミュニケーションの戦略的一貫性
10 新商品は必ず売れない?―イノベーター理論とキャズム理論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
381
キャラクターのアクが強すぎてあまり現実感がないけれど、内容はオーソドックスでおもしろい。なによりもタイトルのフックが強く、興味を惹かれる。主要テーマは日本企業に根付いている「お客様は神様だ」という哲学が時と場合によってはかなり間違っている……ということ。別に潜在的なニーズをつかむという抽象的な話ではなく、ヒアリングによって思考を突き詰めていくことで見出せる隠れた課題を見出すことこそこそがマーケティングの醍醐味なのだろう。2016/09/23
ニッポニア
50
わかりやすくマーケット理論を知ることができます。基本は小説です、読み進めれば、サクッと理解できる、初めの一冊として有効です。以下メモ。ホテルのコーラは、コーラという液体を売っているのではなく、サービスという目に見えない価値を売っている。競合するから協業できない、でなく、どうすれば協業できるかを考える。リスク重視型の見込み客と、リスク歓迎型の見込み客を使い分ける。2022/10/27
コージー
45
★★★☆☆顧客に振り回されない「顧客中心主義」をテーマとしたマーケティングの書籍。商品企画部に異動となった女性セールスを主人公とした物語形式で展開。おもな企業戦略が非常にわかりやすく解説されている。この著者はタイトルが印象的で、かつ本の売り方がうまい。【印象的な言葉】①顧客満足は、“顧客が感じた価値”から“事前期待値”を引き算したもの。②お客さんの言いなりだけでは、本当のお客さんが必要としていることに対応できない。③世の中のほとんどの企業は本来、価格競争をしてはいけない。2018/01/23
hit4papa
43
物語形式で書かれたマーケティングの教科書です。バリバリ一線のツンデレ営業レディ(?)が、企画部門に転属となり、自社製品の売上アップを目指すというストーリー展開。メンター役に手の平で転がされながら、マーケットのなんたるかを理解していきます。読者も主人公とともに理解を深めていくという趣向です。本書では、価格を下げず価値を上げるという考えを強く主張しており、その理論がやさしく解説されています。あくまで導入の書ですから、バリュー・プロポジション等のワードから興味がわけば巻末にある書籍を読み進めるべきでしょう。2019/02/03
エリク
28
経済学、商売についての本。 人間は、商品以外に時、場所、人などのサービスにお金を払っているという原則を思い起こさせる本。2020/03/08