ワタミの失敗―「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造

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ワタミの失敗―「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784046015792
  • NDC分類 673.9
  • Cコード C0030

出版社内容情報

青年社長・渡邉美樹のワタミはなぜブラック企業となったのか?獺祭 旭酒造代表取締役社長 桜井博志氏 推薦!
「部下のことが大好きで、社員としての成長を願い、その部下の幸せを祈る」――この渡邉美樹氏の言葉のどこが間違いだったのだろう。真面目で一生懸命な経営者とその部下たちがそれゆえにこそ落ち込んでしまう陥穽と危機。本書はその原因と過程を厳しく追及しています。自分はまっすぐで善意を信じて一生懸命生きていると思う企業人こそ読んでほしい謦咳の書です。


カリスマ経営者・渡邉美樹のもと、やる気に満ちた幹部や社員たちの「善意の会社」がなぜブラック企業となったのか?ブラック企業問題の専門コンサルタントがワタミの現場を詳細に調査、分析しブラック企業にならないための方策を解説

近年「ブラック企業」という言葉が、広く使われるようになりました。その代表格してあげられるのが、渡邉美樹氏創業のワタミグループ。

ブラック企業問題の筆頭に挙げられ、世間にネガティブイメージを持たれた結果、ワタミグループの店舗からは客が離れ、求人募集では定員割れを起こす事態に。こうした影響から2014年3月期には、上場後初の赤字に転落し現在も厳しい経営状況が続いています。

本企画の著者となる新田龍氏は、日本でも珍しい「ブラック企業アナリスト」。現在はワタミグループからの要請を受けて、グループの「新卒採用プロジェクトアドバイザー」を努めています。

著者が実際にワタミのブラック企業への転落の内幕、経営者、幹部をはじめとする会社の対応、社員への直接インタビューなど詳細を調査してわかったのは、ワタミが決して経営陣、会社の違法な「ブラックな」姿勢、経営によりブラック企業化したわけではない、ということ。

むしろ、社会へのな貢献、顧客満足、あくなき企業努力、社員の成長を求める、という、いわば「善意の会社」でした。これは創業者渡邉美樹氏をテーマとした高杉良著『青年社長』などからもわかることです。しかし現実として、ワタミはブラック企業となってしまった。

なぜなのか?--そこには成長企業だからこそ起き得る「落とし穴」の存在があった。


本書は、ワタミグループに起きた事実を調査し、ワタミに限らずブラック企業に至るプロセスと脱却方法を解説。ワタミグループ以外の事例も多数紹介。
中小企業、ベンチャー、成長企業の経営者はもちろん、働くあなたが「自らを守るために」押さえておきたい1冊。

第1章 ベンチャーの旗手が「ブラック企業」と呼ばれるまで
第2章 日本の会社がブラック企業になっていくメカニズム
第3章 「ブラック企業」と呼ばれたとき、企業はこれだけの財産を失う!
第4章 御社が「ブラック」と呼ばれたときにはどうする?
第5章 世間にブラック企業といわれないために今日からやるべきこと
第6章 その後のワタミ

新田 龍[ニッタ リョウ]
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役。ブラック企業問題の専門家。ブラック企業から組織と人を守るコンサルティング、企業の働き方改革推進による脱・ブラックのためのアドバイスを手掛ける。
2007年、働き方改革総合研究所株式会社を設立。ブラック企業のマネジメント手法を適法に応用して働き方と労働環境を改革するコンサルティング事業を展開。NHK「週刊ニュース深読み」をはじめとしたメディア出演とともに、企業経営者・ビジネスパーソンに向けた、働く環境・働き方に関する知見を提供する著書多数。

内容説明

その「落とし穴」はすべての会社に待ち受けている。ワタミの社内改革を調査したコンサルタントによるブラック企業分析と対策。

目次

第1章 ベンチャーの旗手が「ブラック企業」と呼ばれるまで
第2章 日本の会社がブラック企業になっていくメカニズム
第3章 「ブラック企業」と呼ばれたとき、企業はこれだけの財産を失う!
第4章 御社が「ブラック」と呼ばれたときにはどうする?
第5章 世間にブラック企業といわれないために今日からやるべきこと
第6章 その後のワタミ

著者等紹介

新田龍[ニッタリョウ]
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役、ブラック企業アナリスト。ブラック企業問題の専門家。ブラック企業から組織と人を守るコンサルティング、企業の働き方改革推進による脱・ブラックのためのアドバイスを手掛ける。大学卒業後、複数のブラック企業において事業企画、営業管理職、人事採用担当を歴任。仕事柄、数多くのブラック企業と関わりを持つなかで「ハードワークでプレッシャーがある環境でも、従業員のモチベーションを高める」独特のマネジメント手法や「不充分なリソースでも、うまく活用して成果に繋げる」事業運営手法にまつわる知見を深める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

31
まず若き命を自ら絶った女性社員に哀悼の意を捧げたうえでブラック企業なるものについて考えてみたい。「あの会社はブラック・・・」という若者の情報交換などは無意味。無機質なる会社というものの目的は利益の追求・資本の蓄積であり、すべての会社にはブラック的要素を内包する。ワタミを擁護するつもりはないが、ワタミだけを血祭りにあげるのは無意味。ただワタミの一番の問題点は「善意のブラック」。社員の成長を願ってこその叱咤激励が、当の本人たちにとって心身を蝕む結果となってしまった悲劇。若き部下を預かる身として考えさせられた。2017/05/04

melon

20
ブラック企業チェックリストがわかりやすかった。2022/04/27

叛逆のくりぃむ

13
 ブラック企業となる要件とそれを防ぐ方策をワタミをケーススタディとして、ブラック企業アナリストとして知られる著者が明らかにしている。ワタミがブラック企業となった要因として、創業者である渡邉美樹よりも社内の制度的問題に焦点を充てている。端的に述べれば、渡邉美樹氏が突出した才能を持っていた結果、組織としては、欠陥を持つに至り、それを是正する障害ともなっていたことが見て取れる。2017/01/06

Mik.Vicky

9
数ヶ月に一回ワタミを利用していたが、本当にブラック企業なのかなんとなく疑問に感じていたが、この本を読んで理解できた。同じ行動ではないが、自分が良かれと思って行ったことが他人に違う評価を受け、その誤解を解こうとしたら、ますます深みにハマり・・・自分にも身に覚えがある。また、マスコミの偏った報道にもかなり問題があるし、それを鵜呑みにする視聴者にも問題がある。よく言われていることだ。ワタミにはぜひ復活を遂げて欲しいと素直に感じた。2017/03/15

ししとう

5
ブラック企業の代名詞的存在の「ワタミ」について擁護している本です。世の中にはこういう見方もあるのか、と感心しました。 過労死事例は他の企業でも起きているのにワタミが過剰に叩かれた原因を冷静に分析していますが、結局はあの個性的な創業者が世間の空気を読めなかったからだろう、と反論したくなります。(ワタミの介護で事故死した入居者の遺族に対する暴言については本書ではスルー) また、ブラック企業にしか採用されないような人にも責任がある、みたいな主張はちょっとどうかと思いました。2017/01/24

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